ここ、前お花が咲いてた場所だよね。
「そうだね。どんな花だったっけ」
赤色の、綺麗な花だよ。
海岸の一角に一つ、花が咲く木がはえている。
それは君と僕が初めて海に来た夏のある日、見つけたものだった。
今は冬、赤色の花の姿はない。
僕がその木の前に座ると、君も僕の隣に座った。
もう、あれから何年たつんだろうね。
「僕にとっては、つい昨日の出来事だけど。」
ふふ、と君は笑った。
そして静かな声で呟いた。
ごめんね。
真っ赤な花を一輪、頭にのせながら。
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