お便り7
【凍夜に質問です。
良い歳ですし、見合い写真なんぞ持ってこられるのでは?将来的には菜也と…とかはあり得るんでしょうか?】
「……え、叔母さん。オレって菜也と結婚できるの?」
「…知らないわよ。本人の気持ちとアンタの頑張り次第じゃない?」
「いや、そうじゃなくて。法律的に結婚できんの?」
「あぁ、できるっしょ。三等親以内の結婚が駄目なだけだから…法律的には問題ないわね。」
「そっかー…
じゃあ結婚する可能性もなくはないってことかー。でもオレまだ当分彼女とか要らないからなぁ…」
「…リクオがこの前心配してたわよ。
なかなか彼女作らないし、結婚しようともしないからゲイなんじゃないかって。」
「それはない…と思うぞ?」
「自分のことなのに何で疑問形?
…あ、それと、鴉天狗がこの間嘆いてたわよ。アンタがお見合いをすっぽかしたから、また謝りに行かなくちゃならないって。」
「オレ悪くないもーん。勝手にお見合いの計画を立ててるアイツらが悪いんだもーん。
…てことで、しばらくここに泊まらせてよ叔母さん。」
「泊まらせて…って、アンタまさか…」
プルルルルル プルルルルル
「…はい、もしもし奴良ですけど…」
「あ、姉さん!? そっちに凍夜いる!?」
「いるよ。どおした。」
「これからお見合いがあるってのに…! またアイツすっぽかしたな!? 姉さん、凍夜にちょっと変わって!」
「…凍夜くん。君のパパから電話だお。」
「……ちっ……
…どーも、勝手にお見合い立てられて激怒プンプンな凍夜だお。」
「ボクに言っても仕方ないだろ!? お見合いの計画立てたのはじいちゃんなんだから!!」
「またぬら爺かよ〜 クソ長生きなのはいいけど腹立つわ〜、いつか寝首かこうかな。」
「こら! ムカつくのは分かるけどそんな事言わない! てゆぅか今すぐ帰って……」
ブツッ
……ツーッ ツーッ ツーッ
「叔母さん、電話ありがとう。」
「…どういたしまして。
にしてもアンタもやっぱりぬらりひょんだね。」
「そう? 普通の行動だと思うけど。
叔母さんだってお見合い勝手に立てられたら逃げない?」
「…そうねぇ、お見合いを計画した奴ら全員をズタボロにして、日本一周旅行でもするかな。リッチな旅館とかホテルに腹いせに泊まって。」
「……すっげー。やっぱ叔母さんの方がぬらりひょんの血を継いでるだけやるよな。」
「いやー、それほどでも。」
「オレも叔母さんを見習おう。」
「それは止めて。私がリクオに怒られる。」
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