▽ お刺身は夜でしょーが!
うがいもしたし、顔も洗って化粧水やら何やらつけたし…よし。後は朝ご飯食べて着替えて歯磨きすればオッケー!
え、先に着替えろよって?
…もし制服に醤油やらソースを零したらどうするんだ!私は液体類を飛ばすぞ!飛ばしまくるぞ!
『それが私の特技だ。』
「朝からどうした?もっかい寝るか?」
『…そーだね。お父さんの言う通り、寝た方がいいかもしれない。有り得ない光景が見えるんだもの。』
本当…なにこの豪華な食事。
『普通お刺身は夜に食べるもんでしょーが!』
「そこかよ。」
『朝からお刺身なんか食べられんわ!』
「じゃあお前の分は俺が貰うとするか。」
『駄目だ。これは私が夜に美味しく戴く。』
「食べたいのか食べたくないのかどっちだよ」
食べたいさ!でも今じゃない!
生ものは夜に食べたい派なんだよ私は!朝食べてお腹壊したら大変でしょうが!!
『あり?そういえば…リクオは?』
「アイツならもう先に行ったぞ。」
なんてこった。私は置いていかれたのか。
つーか行くの早くね?あいつ。
『あ、違う。私がいつもより遅いんだ。』
時計を見て気付いた。こりゃもう出ないといけない。お刺身取っといてねと言い残し、急いで着替えて学校に行く。
そして下駄箱にてカナちゃんと遭遇。今日も相変わらず可愛いです。
『あら、カナちゃんじゃない。おはよう』
「え!?あ、お姉さん!おはようございます!」
『はぃ、おはよう。ところでどうしたの?誰か待ってんの?』
「い、いえ、別に…!
…あの、お姉さん!及川さん…とはお知り合いなんですか?」
カナちゃんの様子に、氷麗のことが気になるんだなとすぐに悟る。さて…なんと応えようかな。
『うん、あの娘、うちに住んでるから。』
「…は!?」
『遠い親戚の子でね、家の事情でうちで預かってんの!仲良くしてあげてね?』
「は、はい!」
こう説明しといた方が後々楽だろう。変に嘘ついても怪しいし、疑われて余計に面倒だ。
そしてどこか納得したような、していないようなカナちゃんの顔を見ていれば…後ろから声を掛けられた。
「あの…ごめんなさい、職員室はどこですか?」
…キターーーーー!
三大ヒロインの1人、
ゆらちゃんがキターーーーー!!
『この棟の二階よ。時間あるから、案内するわ』
「おおきに」
『いえいえ。じゃぁカナちゃん、またね!』
可愛い。京都弁って可愛いよね。あぁ、京都で鹿に鹿せんべいをあげるふりして、からかってやりたい!そんなアホな事を考えつつも、カナちゃんにお別れを言う。
そしてカナちゃんと別れて、ゆらちゃんと一緒に職員室へ向かった。こっからはオレのターンだ!
『あなた、転校生?』
「はい…1年の花開院ゆらといいます。」
『ゆらちゃんね。私は奴良鯉菜よ。よろしくね。1年に奴良リクオっていう私の弟がいるから、何かあったら頼りなさいな。』
「リクオ君、ですね。ありがとうございます。」
『どういたしまして。
あ、ここが職員室よ。それじゃ、私もう行くわね。』
職員室に入るゆらを見送り、私も自分のクラスに行く。さて、今日はもしかすると…清継のめんどくさいイベントがある日なのでは?
うーん…出るべきか、出ないべきか。
…お誘いがあれば行って、なかったらそのまま帰ろうかな。
(「あ!いた!奴良君のお姉さーん!今日は僕の家に集合ですよ!」)
(『・・・・・・家の場所も言わずに嵐のように去っていったな。』)
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