似非紳士の誕生日！
※Take1
「氷室先輩、今日誕生日ですよね？おめでとうございます。あの私、何をあげたら先輩が喜ぶのか分からなくて…。とりあえずプレゼントは私でいいですか？」
「What!?ちょっと待ってなぎさ、急にそんなこと言われても心の準備が…！」
「…………か、」
「え？」
「わ、私…いりませんか……？」
「ううんそんなことないよよし今から部室に行こうか」
「って感じで祝ってもらうにはどうしたらいいかな？」
「とりあえず死ねばいいと思うアル」
※Take2
「室ちんお菓子ー…って、どうしたの？そんなに死にそうな顔して」
「ああアツシ…聞いてくれるかい？」
「えー、なんか面倒くさそうだからヤダ」
「あのさ、今日何の日か知ってる？」
「え、オレの意見無視？…えーと、今日はたしかまいう棒の新作の発売b」
「そうなんだ、今日はオレの誕生日なんだ。それなのになぎさが朝から会いに来てすらくれなくて…」
「…あ、うん」
「もしかして今日がオレの誕生日だってこと忘れてる？それとも恥ずかしがってるだけ？
なあアツシ、どっちだと思………」
「？」
「…その手に持っている手作り感満載のケーキは何だいアツシ」
「あ、これー？なぎさちんが今日のおやつってくれたよー」
「What!?どうして何でもない日のアツシにはプレゼントがあって誕生日のオレには何もないんだい！？」
「いや知らねーし！」
「…紺野、お前さっさと氷室にプレゼント渡せよ」
「嫌ですよ恥ずかしい」
※Take3
「氷室はどうしたんじゃ…」
「紺野からのプレゼントをまだもらってないってしょげてるアル」
「なぎさからのプレゼントが欲しい…いやもうこれだけ待たされたんだからプレゼントはなぎさ自身がいい…」
「アイツ何気持ち悪いことブツブツ言ってんの？おい紺野、さっさと渡せって言っただろ！」
「なぎさちーん、あれマジ気持ち悪いからどうにかしてー」
「…仕方ないなあ…」
「氷室先輩、プレゼントあげますからこっちに来てください」
「！本当かいなぎさ！！何で朝からくれなかったの焦らしてたの焦らしプレイなのオレ焦らされるより焦らす方が好きなんだけどなぎさがそういう趣向なら仕方なぶっ…」
「あ…はは……」
「……」
「仮にも彼氏に対して顔面ケーキだなんてやるな紺野」
「ねえあのケーキなぎさちんの手作りなんだけどー。超もったいない」
「お前さっきおこぼれもらっとったじゃろ」
「そうだけどさー、あれが一番おいしそうだったのに…」
「ていうか顔面にケーキを受けた氷室のあの満面の笑顔がキモイアル」
「楽しそうだな氷室…」
「ふふ…ふふふふ…なぎさ、ちょっと今から部室に行こうか」
「ギャー！ごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいい！！」
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