金曜日


日が昇る少し前に仕事が終わり朝床に就き、起きればお昼。
そんな生活を始めて5日ほどが経った。

少し身体が重く感じる。
自分の身体がこんなに衰えていたとは思いもしなかった。

今日は金曜日。
店では華金と称して今月の金曜日はチャイナデーをやっているらしい。
華金の華は中華の華だからだとか。

すぐに出勤できるようにしておこうか。
衣装は店で用意されているのでそこから一着拝借する。
白いチャイナ服に三つ編みでいいだろうか?

丁度チャイナ服を着た人に会うのだから、少し見てもらおう。

公園に行くとまだ神威は来ていなかった。
いつものベンチに腰掛ける。

あぁ、いつぞやもここでぼーっとしていたな。
今日は頭が動いてない感じがある。

「しぐれ…?」
「あ、神威。おはよう。」
「あぁ、うん。おはよう?」

少し困惑した表情をしていた。

「その恰好どうしたの?」

やはり今日の恰好が気になるらしい。

「ちょっとね。今日はチャイナデーらしくて。変だった?」

お団子は自分の雰囲気ではないなと思い
とりあえず一つ結びの三つ編みをしてみた。

「いや、似合ってるよ。それより顔色悪いけど…」
「大したことないよ。今日は珍しく仕事かい?」
「まあそんなところかな。」

しばらく他愛ない話を続ける。
どうにもこの時間が落ち着く。

そういう時に限って時間が経つのが早い。
気付いたらもう戻らなければならなかった。

「ごめん、そろそろ行かなきゃ。」

ベンチから立ち上がるとさっきよりも立ち眩みが激しく
思わずその場で蹲ってしまった。

「大丈夫?」

ひどく不安そうな顔で覗き込んでくる。

「…大丈夫、平気よ。ちょっと立ち眩みしただけで。」
「ダメ。病院行こう?無理するとよくないよ。」

支えられながらなんとか歩き、とりあえず病院まで行くことになった。


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