火曜日 「ご指名ありがとうございます。」 住み込みで働かせてくれると言うことになり、 昨日は先輩に付いて行ったり、どういう仕事をするのかをみっちり教わった。 その翌日である今日。 昨日と同じく先輩に同行していたところ、突然指名が入った。 先輩は、もし何かあったらすぐに黒服を呼びなさい。 そう言ってフロアに送り出された。 「昨日が初めてだったんだって?」 「えぇ。そうなんです。右も左もわからず…」 「最初はみんなそういうものだ。この業界に限らずね。」 客は上機嫌に話をしていた。 酒はさらに進む。 黒服がそっと耳打ちをしてきた。 他のテーブルからの指名がきたそうな。 席を離れる際、また話をしようと声をかけてくれた。 それから立て続けに閉店までテーブルを回った。 閉店後 「おつかれ。いやー、良かったよ。 入って昨日今日でこんなに指名入るの、中々ないんだよー。 これからも頑張ってね。」 朝方、用意された部屋でようやく1人になった。 地球にいる人も、自分のいた星…月と大して変わらない。 そんな気がした。 [*前] | [次#] |