東天を見ぬ者
「いきなり文句を言うのもあれだけど、初っ端の文が重苦しいんだけど」 「同感だな」
東天を見ぬ者 (ユーリ=ローウェル)
「でもな、如何に私のやる気が無いかが分かる一幕だと思うんだわ」 「お前のやる気の無さはあんな文で表現しなくても自然と察知出来るけどな」 「そんな事はどうでもいいけど、取り敢えず私は自分の部屋が欲しい」 「それこそどうでもいいだろ」 「私嫌なんだよあの部屋割り。居心地悪すぎてホームシックになるくらい」 「おい、頼むから出てきて早々に世界樹に帰るなよ?お前仮にもディセンダーだって事を忘れてるだろ」 「忘れてねーよ。いいから私と部屋交換しろ」 「よくねえよ。大体お前、誰と相部屋なんだよ」 「おっさんと筋肉ダルマ」 「…相部屋っつーか、まず部屋じゃねえな、それ」 「そう、まずそこが問題なんだよ。私ディセンダーなのにあんな胡散臭いおっさんと汗臭い肉塊と同類扱いされてるっておかしくね?」 「ま、文句を言うならアンジュに言うんだな。雇われの俺がどうこう出来るもんじゃねえよ」 「お前本当に役立たずだな」 「お前にだけは言われたくねえよ」 「ちょっと取り敢えずアンジュに交渉してみるわ」 「そういう事だけは無駄にアクティブだよな、お前」 「ちょ、訴えに行くからユーリもついてきて」 「…はいはい」
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