失くしてからでは遅いというのに

「何だ、ポンコツディセンダーかよ」
「何だよ、ポンコツ坊ちゃん」


失くしてからでは遅いというのに
(ルーク=フォン=ファブレ)


「誰がポンコツ坊ちゃんだって!?」
「何、お前自覚無えの?因みに私はポンコツディセンダーだって自覚あるから大丈夫」
「いや、大丈夫じゃないだろ、向上心を持てよ」
「嫌だよ面倒臭い。何でお前らルミナシアの民の為に努力しなきゃならないんだよ。滅びろ」
「然り気無く物騒なことを言うんじゃねえよ」
「お前、私と喋る時は嫌に冷静なツッコミを繰り出してくるよな。何で?」
「何でって言われてもな…ロアは、俺に似てるから、な」
「おいおいマジかよ、全身全霊を捧げて御免被るわ」
「お前が何でって言うから答えてやったのに何だよその態度!俺だってお前と似てるだなんて御免だからな!」
「じゃあ何で似てるなんて言ったんだよ」
「ヴァン師匠がそう言ってたんだよ!俺は全然似てるなんて思ってねーけどな!」
「お前はあのおっさんが言うことは全部鵜呑みにすんのかよ。哀れなマリオネットだな」
「なっ、哀れむんじゃねーよディセンダー風情が!俺にそんな発言して許されると思ってんのか!?」
「誰に許しを請うよ、この私が。もしお前の言うくだらない法で私を裁けるとしても、一体誰がお前を擁護する?この自由の名を持つギルドで、誰がお前の意見を尊重する?ま、そりゃあお前のお国に帰りゃあ話は別だがな」
「うっ、うるせえ!もういい!俺は寝る!」

「…前はこんなじゃなかったろ、あれ。もっと自虐的で従順で、確か…髪が短かったっけか…って、まあ、どうでもいいか」



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