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腕を後ろ手に縛られ、下全部脱がされて、ソファーの上、ねっとりとした熱い舌で自身を舐められる。焦らすように、いやらしく。
「そろそろ毒が全身に効いてきたんじゃないですか?」
「ふ、っぁ…」
脚の付け根をさすられ、そこが熱を帯びる。ハイドはそれを面白がる様に指先で身体中を弄った。
「ぅく……っや、め…!」
「身体中が敏感になって気持ちいいでしょ?」
片方の手が胸に伸び、突起を潰すように捏ねる。それだけで、腰が浮くような快感が身体を突き抜ける。
「んぁっ!…く、ふっ…」
「いやらしいですね、エンヴィー先生…我慢汁垂れてますよ」
「んン、ぁっ…し、喋ん、なッ…!!」
舐められながら喋られたら、息がふ、とかかって、背筋に悪寒みたいな快楽がゾクゾクと走った。
たまらず歯を食いしばると、ハイドは至極面白そうに笑って、自身を何の躊躇も無く咥え込んだ。熱い口内で好きなようにされる度、ビクビクと脚が痙攣する。その媚薬とかいう血液のおかげで、いつもより数倍気持ち良く感じた。
油断したら簡単に声が漏れてしまう。
「っふ…は、ぁ…っ」
「ここ、そんなにイイですか?」
「ひっぅ…あはっ…!」
口を窄めて先端をちゅぷちゅぷと吸われると、腰が砕けた様に痙攣した。
ハイドはここぞとばかりに先端を嬲る。強い刺激に目がチカチカした。
「あぅ、んふぅぅ…っ!だ、っイ、く…!!」
「ふふ、だめですよ、エンヴィーせんせ、我慢して」
「ンあ、は…っ…!」
口を離され、ふーっと息をかけられる。先端から溢れる液体を焦らす様に舐め取られて。
「エンヴィー…ここ、すごく硬くなってますよ?」
「ぅ、…やめ、…っはぅ…」
二本の指でつつ、と裏筋を辿る。そのもどかしい感覚に身を捩らせる。
「イきたい?」
「ぅあぁっ…」
先端を薄い舌でチロチロと舐められる。裏筋を辿る手はそのまま、自身の限界を煽っていく。
「ほら、我慢汁すごいですよ?」
「あぁっ…や、っ…ンんぅっ…!」
先端を口に含んで、ず、と吸われる。それだけで腰がガクガクと痙攣して。
「ぅぁぁっ…も、イきたっ…ふ、ぅ…っ!」
「何ですか?」
「イかせ、て…っぅぁ…、イきたいっ……!!」
「……ふふ、エンヴィーちゃんは本当、やらしいなぁ」
「っ!?」
突然根元をぐ、と掴まれ、その手は固定されたまま、もう一方の手で自身を抜く。先端はこれでもか、とばかりに吸い上げられる。出したいけど出せない、けど確実に、絶頂まで追い立てられて。
「や、手、離しっ…ンア!っヤぁあっ!」
「…イって、ください」
「ぅく、ンんっ………、ひああああぁっ!!」
射精の伴わない絶頂に全身の力が抜けた。吐息に声が混じる。
惨めにも勃起したまま、けど射精はないまま、ビクビク痙攣しながらハイドを見上げた。
「…ぁ、ァ…ぅぁ…っ…」
「ふふ、空イキした気分はどうですか、エンヴィー…」
朦朧とする意識の中、先生、と呼ばなくなったハイドに悪意を感じつつ、酷い倦怠感と反する身体の熱にため息を吐いた。
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