▼ 2-1
どうしてかな
わたしはただ、
愛されたいだけなのに
*
きらきらしたガラス張りの浴室から出ると、豪華な夜景と大きくてふかふかのベッドがわたしを待っている。
渡された口の細いグラスにはパチパチとはじける透明のスパークリング
未成年、なんて、今は私の肩書きに過ぎない。
ロマンチックな部屋に二人きりなんて、やることは決まってるでしょ?
生温い舌を受け入れて、身体中をまさぐられて、
高い声で鳴くフリをすれば、もっと喜んでくれる。
あぁ、愛されてるな、って
(本当は気持ち悪いのにね)
名前を呼んでって言えば、何度でも呼んでくれるんだ
キャリー、キャリーって
ほら、こんなにも愛されてる
たった数時間だけでも、ただひたすら私のことを愛してくれて
(こんな馬鹿な私でも、愛される価値はあるのかな、なんて)
乱暴な愛撫も、生温い舌も、吐き出される白い液体も、ぜんぶぜんぶ、
愛されてる証拠でしょ?
だけど何でかな、
すごく気持ち悪いよ
こんなにも愛されてる、のに
(ねぇ、私、何か間違えたのかな)
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