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 1-3

「……ちょっと、痛い…」

「え、…あっ、ごめん」

腕を離すと、キャリーは不思議そうな顔で僕を見た。

「えっと……大丈夫?」

「何が?」

「何っ…て……」

完全に衝動だった。
彼女の溜め息が聞こえる。

「……別に、気にしてないから」

直感で、悪口のことだとわかった。

「でも、」

「言わせとけばいいよ、あんなの」

彼女はどうでもいい、といったような口調で語る。
久しぶりの会話なのに、そっけなくて
それがなんだか、寂しかった。


「…あのさ!」

教室に戻ろうとするキャリーの後ろ姿に向かって、叫ぶ。
彼女は何も言わずに、足を止めた。

「……僕のこと、覚えてないの?」

しばらくの沈黙。
つぶやくような声がそれを遮った。

「 覚えて、ない 」


離れていく後ろ姿が遠くて、
追いかけることすらできなかった。
































(私になんか、構わないでよ)

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