黒猫 | ナノ


▼ 暗い部屋

私はエンヴィーの重さを感じながら、彼の舌先を受け入れる。クチュクチュと鳴る水音が電気の付いていない部屋に響いている気がして、その背徳感すら気持ちよかった。
彼の舌は熱かった。高揚する体が思考能力を奪っていく。私の脚の間に差し込まれたエンヴィーの膝が、私の敏感な場所に擦れていて、緩い刺激がもどかしかった。
唇が離れると小さく息切れした。口端を唾液が伝う。エンヴィーの紅く染まった端正な顔に、堪らなく欲情した。彼の喉に手を伸ばすと、そのまま首筋に唇を付けた。彼の皮膚は熱く、湿っていた。首筋に舌を這わすとエンヴィーはビクッとして、密着した体からどちらのものか心音が伝わってきた。
「っ……はぁ…」
「かおる…、」
名前を呼ばれて彼の首から唇を離す。エンヴィーの潤んだ瞳は私を映していた。黒い獣のような耳がピクピクしていて、思わずそれに触れた。
「…、エンヴィー、かわいい…」
「っふ、ぅ……っ」
彼の耳に噛み付くと、力が入らなくなったのか、付いていた手を離した。
「かおる、んっ……ぁ…」
耳の内側を舐めるとビクビクと反応したので、そこを集中的に、丹念に責めた。彼が反応する度、膝が擦れて、頭が熱くなる。彼にわからない程度に押し付けて、刺激を求める。布越しに、湿っていることがバレることは無いだろう。
「んんっ……エンヴィー…」
私の首筋をエンヴィーが舐めた。薄くて熱い舌が這う感覚に、敏感に反応してしまう。
「かおる…」
「ん…」
首を伝って、耳を舐められると、小さく声が漏れた。思わず彼の服にしがみつく。
「ぁっ……ん…」
「んっ!…かおる?」
大きめのパーカーの中に手を入れ、胸元に手を這わす。彼は少し擽ったそうに身を捩らせた。
「服、脱いで」
肩や腕の筋肉が、男性らしく見える。うっすらと汗をかいた肌は紅く色づいていた。
彼の手を取り、私の服の中に入れて、胸元にもっていく。
「…触って、……」
下着の上から、ゆっくりと触られる。突起が布に擦れてもどかしい。
「っ……エンヴィー…、もっと、強く…」
「ん……、」
エンヴィーは私の胸を弄りながら、口で服と下着を捲くし上げた。高揚した体に冷たい外気が触れて、気持ちいい。
エンヴィーの喉が鳴った。
「ぅあっ…!ゃ、っん……」
突起を舐められ、思わず声が出る。片方を手で弄られ、息が詰まる。
「エンヴィー、ぁっ…」
無意識に膝に擦り付けてしまう。じわじわとくる刺激に頭がおかしくなりそうだ。
「っあ、んぅっ……!」
途端、エンヴィーが膝をグリグリと押し付けてきた。
「かおるっ、気持ち、いい?」
「んんっ……!!」
コクコクと頷くと、エンヴィーは切羽詰まったような、意地悪な笑みを浮かべた。
私の脚に絡みついている彼の尻尾の温度すら気持ち良い。
エンヴィーの下着の中に手を入れると、それは既に熱くなっていた。
ゆっくりと手を這わすと、彼の手の動きが止まった。
「ぅあっ…かおる、そこっ…!」
「ん…、気持ち良くしてあげる…」
私はそれを優しく握ると、手を上下に滑らせた。先端に滲んだ液体を擦り付け、丹念に抜く。
「かおるっ…ぁっ…ン…ひぅっ…!」
耳元で聞こえる彼の声に興奮した。
先の窪みに人差し指を引っ掛けてグリグリすると、先端から液体を滲ませさらに滑りを良くする。
「そこっやっぁぁあっ…かおるっぁあっ…」
「ここ、弱いんだね…」
先端を弄る度にヒクヒクするエンヴィーが愛おしい。強く指を押し付けると、高い声で鳴いた。
それから手を離すと、私はエンヴィーの手を私の敏感な場所にもっていった。
服の上から、エンヴィーの指をなぞらせると、予想以上の快感に腰がヒクついた。
「触って……」
エンヴィーは服の上から優しくなぞっていたが、突然下着の中に手を入れ、直にワレメを刺激してきた。
「ぁっやっ!エンヴィー、いきなりっ……」
「かおる、濡れてる…」
彼の指が陰核に触れる度、体が震える。彼がそこを強くなぞると、私は声を我慢できなくなった。
「やあぁっエンヴィーっ…そこっだ、めぇっ…」
陰核をグリグリと執拗に擦られて、意識が飛びそうになる。寸のところでエンヴィーの手を取って制止するが、あと少しでイッてしまいそうだった。
お互いの息が、早くなっていく。彼の息がそこに触れるだけで、気持ち良い。
熱い舌の感覚、そして、強烈な刺激。
「んあああっ!!エンヴィー、な、めちゃ、ぃやぁあっ」
クチュクチュと水音が鳴り、足先が硬直する。陰核を吸われると、力が抜けてそのまま果ててしまいそうになった。
「あうぅっ…ひぁっ!やだっイく…からぁっ…やっあああ、っ!」
ぴちゃぴちゃ、クチュクチュ、水音が暗い部屋に響く。
「エンヴィー…ひああぁっ…っ!!」
陰核をヂュッと強く吸われると、我慢することもできずに果てた。
はぁはぁと息を荒げる私を見上げ、エンヴィーは満足そうに笑った。
体に力が戻ると、エンヴィーをソファーに座らせ、ズボンと下着を脱がした。
勃起したそれの先端は濡れていて、刺激を待ちわびているかのようにどくどくと脈打っていた。
「かおる…」
「気持ち良くしてあげるから…」
ゆっくりと舌で舐めて唾液を塗り付け、握ると、手を滑らせた。先端を口に含んで舌先で窪みを刺激すると、エンヴィーの腰が震えた。
「あっあぅぅ…、ふぁっ…気持ちいっ…」
強く吸いながら手を動かすと、液体の味が広がった。
「んっぁっ…かおるっかおる…あぁっ…」
そろそろイきそうだ。彼のうわずった声が響く。口元を手で押さえて震えている姿が厭らしい。
「…っ!ああああぁぁっ……!!」
手を動かしながら、先端を歯で優しく噛むと、彼は果てた。口の中が青臭い液体でいっぱいになり、口端から少し溢れた。
近くにあったテイッシュに吐き出すと、まだ先端から液体を溢してビクビクと震えているエンヴィーのそれを口に含んで吸い上げた。
「ひっぁっ……」
後処理に腰をヒクつかせるエンヴィーが可愛い。テイッシュで拭いて下着を着せてあげると、急に疲労感と倦怠感が襲ってきて、果てた余韻で未だ震えているエンヴィーの横で、いつの間にか意識を失っていた。

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