Sign


 点滅するこの感情が鼓動に近いスピードで跳ね回っているようだと気づいたとき、私のそれは単なる内側の循環ではなく、ある少女から与えられているものだったのだとようやく分かった。微かな心臓の震えは名前を持った喜びに舞い上がるかのように大きくなり、久方ぶりのこんな衝動に心底驚きを隠せない。恋だったんだな、と思った。気づいてみれば当たり前だ、どうして気づかなかったのか。こんなにも愛しく感じていたというのに。
 そう、ふと思ったのが君を好きだと自覚した最初の瞬間だよと答えたら、朗らかな声で訊ねてきた少女は顔を真っ赤にして膝を抱えた。

ウォンとヒカリ



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