文 | ナノ

下心ですがかまいませんか?


 いつも通りの放課後、いつも通りの生徒会室。僕はいつも通り生徒会の仕事に追われていた。会長は翼くんを捜しに行ったまま戻ってこない。まあそれはいつもの事ですが…問題は椅子に座ったままスヤスヤと眠る彼女だ。
 夜久月子。生徒会書記の彼女は、この学園唯一の女の子。なのに、なんて無防備な…。

「まったく…これでは、襲われても文句は言えませんよ。まあよっぽど疲れていたんでしょうけど」
 苦笑しつつ、生徒会室に常備してある膝掛けを寝ている彼女にそっとかけた。

「それにしても」
 こんなふうに無防備に寝るなんて、余程信頼されている証拠だとは思う。それは嬉しい。だが、同時に異性として見られていないのだろうなと思い、複雑な気分になるのだ。
 僕だって、一応思春期真っ盛りの男なんですけどね。
 でも、まあ今はすやすやと寝ている彼女を起こす気なんて更々無い。もう少しだけ彼女の寝顔を見ていたい、だなんて思ってしまうのは、完全に彼女に心を奪われているからでしょう。
 本当は、見るだけじゃなくて、触れたい。だんだんと、欲張りになっていく自分のこんな姿は、起きてる彼女には絶対見せられないなと思いつつも、僕は彼女から目をそらすことが出来ないでいた。
 あと少しだけ、あと少ししたらいつもの紳士な僕に戻りますから。



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颯月!そらそら誕生日記念。
颯月というより颯→月ですが、そらそらの黒い感じが好き。
title by 確かに恋だった

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