×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

37










どういうつもりだサイコ野郎め。


決行は今日と言い出したのはお前なのに、なんだって今日このタイミングでここに来る?ましてや承太郎が諸用でここを空けることなんて知る由もなかろうに、なぜ?!!要はおれと承太郎がコンボで居るときに乱入したかったって事だろ今さっき出掛けました今日は戻りませんやーいやーい!

(先生のスカした顔を見ているとついケンカ腰になりがちですが嫌いなワケではないです。)







「で、何があったって? キスのひとつでもしたか?」

『えっ! あー、…まぁ、みっつ、よっつほど……』





「……よしてくれ、想像しちまったじゃあないか…」

『野次馬根性貫き通してもらっていいですかね。』





お前から質問したくせに心底聞きたくなかったって顔しやがって。

言っとくが(いや言ってないが)おれは明け透けと話すぞお前の眉間のシワがどれだけ深まろうが一度話した以上どこまでもアドバイスを仰ぐぞ。
おれの勝手なイメージで恋愛的なアドバイスはあまり期待できないだろうと思ってるから、あくまで客観的に見た第三者の意見をいただきたい。








「キミ、存外肉食なのか?」

『おれ?! いや承太郎さんが肉食なんじゃねーの…?』






「彼から……… そう…か……」

『逐一ダメージ負うなよ。ちなみに好きだとまで言ってもらえたんだけど、これって両想いだと思う?』


「ぐぅッ…………!」
『物理攻撃で紛らわしてやろーかコラ。』





お前の大好きな未知の世界を教えてやってんだろーが!リアリティに満ち溢れた、つい今しがたの実体験を語ってやってんだろーが喜べよォ!!!

露伴は少し虚ろな目線をぬるりとおれの方へ向けて、頭の先からつま先まで確認するように目線を這わせた。






「わからない…… キミなんかの何がいいんだ…?」

『おっとぉ〜〜?腹が煮えるなぁ〜ッ?? …でも正直おれもそう思う。なんか別の感情を取り違えでもしなきゃ、承太郎さんがおれを好きとか有り得ないよなぁ…』





「捩じくれた性格してるな、考え方がブサイクだぞ。」

『わぁ… 思わず手が出そう…』





煽りながらじゃないと会話ができないの?
それともおれが意図せず与えてる精神ダメージへの反撃のつもりなの? どちらにせよおれのヘイトは着実に募ってるし、あとひと押しで背後からブリスルだよ??

おれは心鎮めるべく穏やかな笑顔を貼り付けてバンダナ小僧を視界に映す。(視界には入れているが焦点は別に向けています)






「彼の感情まで否定するつもりはないさ。好みについては爪の先ほども理解できないけどね」

『いや、否定っていうか… お前の言う通り、おれだよ? 両想いかもとかおこがましいっていうか…』






俄かに信じがたいっていうか、とぼそぼそ言葉を零すおれに、露伴はこれでもかってほどの盛大でわざとらしい溜息を吐く。

なんだよゲイ野郎が色恋ごとでウジウジしてるのなんてそりゃー見たかないだろうけど、真面目にゆってんだよ真面目に悩んでんだよ少しくらい優しくしろよぉ!!!!







「キミさぁ、鈍感すぎるってのも誰も幸せにしないぜ。

こんなことをわざわざ言葉にするのは本当に憚られるんだが、おつむの弱いキミのために敢えて言ってやるよ。
空条承太郎が、大した情もない相手と同じ屋根の下…ましてや同じ布団で夜を明かすと思うのか?

どういう訳だか己に向けれられる好意を肯定できないタチのようだが、愛情に気付かない行為こそ余程残酷だとぼくは思うね。」







『なんでおれと承太郎さんが一緒に寝てんの知ってんの? やっぱ知らん間におれの頭開いた??』

「おい、そこじゃあないだろ。いまの親切すぎるアドバイスちゃんと聞いてたかッ?」






聞いてたさ聞いてましたとも。

でも、彼が感情を取り違えたとか、気の迷いとかその場の空気だったとか、理由は最低でもいいから何かの間違いであったほうがいいに決まってるんだ。

幸せな行く先なんて用意されてない。おれがあの人と未来を築ける人間じゃないことなんて嫌ってほど理解してるし、改めてその現実を知らしめたのは他でもない承太郎だ。

なのに、今度はその彼が好きだなんて言う。

素直に受け入れて喜べるほど、おれはバカだけどバカじゃないんだよ!好きだけど離れ離れになる運命って本当にあるのかよ少女マンガと韓ドラの中だけじゃねーのかよぉ!







『お前ならどーするゥ!?』

「ここでぼくが答えたところで、じゃあ自分もそうするなんて言いやしないだろ。
それとも何だ?ぼくのところに来い、とでも言って欲しいのか?」





えっ‥‥‥‥





『すご……きもぉ……… 見て、鳥肌……』

「キミは稀に、仗助以上に腹立たしいな…」





そんな殺意の込もった目でおれを見るな、先にキモイ爆弾投げてきたのはお前だろ!

おれは承太郎さんだからホモまっしぐらしただけであって元々はそうじゃないんだよ。歯の浮くようなこと言われても心底怯えるよ本当にキモい。まだ背中の鳥肌が収まりきらないキモいッ!


でも… 選べとか言わないあたり、きっとコイツはもうわかってるんだろうな。








『捨てられたら拾ってくれ、おれのこと!』





未来はない。

だけど、一時の夢を見ることができるなら、それでいい。


彼がこの地にいる間だけ、どうか。どうか。






「このぼくをキープにするって?」

『キモい言い回し控えて。…いやでも、そーいう事になんのかな。』





結局、世話になる事はないといえコイツを振り回してしまった。

承太郎に向けてる想いが遂げられることはないって、おれも露伴もそう思ってた。だからきっとおれが彼を断ち切れるようにって、少なからず頭を働かせてくれてたんだよなぁ。



なんだか急に申し訳ない気持ちになってきたぞ…!
コイツからしたら骨折り損ってことだもんな…でも詫びるにしても、この世界でおれが与えられるものなんて殆どないし……あ、








『連れて行ってやろーぞッ、おれのもとの世界!』






.