怒られる。U




「おーさすが1人部屋なだけあって広いな」
「構造は一緒だよ。お前の部屋と違って物が無いだけ」


モノクロを基調としたシンプルな感じがなんとも広海らしく、ぐるりと部屋を見ても必要最低限のものしか置いてない。雰囲気はあれだ。無印○品とかそこら辺っぽい

とりあえず今夜お世話になる寝床を見るために、2つある寝室のうちの一つの扉を開き中を確認する。が、本来置いてあるべき場所にベッドは無く、二つほどのダンボールが置いてあるだけだった。


「ん?あれ、こっちの寝室ベッドないけど····俺どこで寝ればいいの?」
「俺と一緒寝ればいいじゃん」
「またそのパターン?!」


いいよ俺ソファーで寝るから!と言う俺を見て、広海はリビングルームにあるソファを指さす。そこにあるソファーはどうやら一人部屋にする時に買い換えたのか、一人が腰掛けるくらいしかできそうにない。


「何でそうフラグ立てちゃうなあ俺は!」
「はいはい。そういうのいいから、風呂入ってきて」
「ぐぬぬ···」


なんとなく言いくるめられてる気がして納得出来ず広海を睨んでいると、しびれを切らした広海に下着と寝間着と共に洗面所に放り込まれた。


「え、この下着新品じゃないけど!?」
「ああ、それ?安心していいよ、俺のじゃなくて元同室の奴のだから」
「いやそれでどう安心しろっていうんだよ!!」


ドアの向こう側に向かってギャンギャン吠えてみるが、どうやらもう俺の言葉に返事するのはやめたらしくなんの返答もない。


「くぅ···あんにゃろう····」
「俺も入りたいから早くしてくれる?」
「わかったよ!!」


人に返事しないくせに急かしてくる広海にイラつきながらも、さっさと風呂に入り顔も知らない元同室に合掌しその下着を身につける。


「へえ、履いたんだ」
「それしか選択肢ないだろ」
「ノーパンって選択肢があるじゃん」
「アホか!!」








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