怒られる。T



「ねえ宗太。今何時だと思う?」
「····六時でございます」
「違う、六時過ぎ」
「はい···」
「なんで俺は怒ってると思う?」
「···えっと、お、俺が広海に返信しなかったから」


目の前に立つ広海の顔をまともに見れず、したを向きながらもじもじしていると、自分の頭の少し上から物凄い大きなため息が聞こえてきた。


「あのさあ。俺がなんでこんなに頑張ってるかわかってんの?」
「俺の···童貞を···守るためです····」
「ケツの方もね。ていうか分かってるなら普通に考えて六時前には帰ってくるよね?せめて連絡してくれないと、てっきりもうその無駄にデカいケツに野郎のにょい棒ブチ込まれてると思ってたよ」
「その言い方はやめてくだちい!!」


呆れたような目付きで俺を見る広海。

俺の頭の中の広海はこんなに下品じゃ···ない···とは言いきれないけど。もう少しマシだったはずだ。それに俺のケツは別にデカくない。


「はあーーー····」
「え、えへっ?」
「·····」


この止まらない貧乏揺すりから察するに、広海は相当キレてるらしい。ていうか顔が凶悪犯罪者の顔してる。
····いや、元はと言えば、あのふざけた格好の理事長と凄みの生徒会長が悪いのだから、俺が怒られる理由は全く無いはずなのだ。そう、俺は悪くない。


「そ、そんなに怒ることないだろ!それより、早くここ出よ」


出ようという言葉を最後まで言い切る前に、広海が俺の頬を勢いよく両手で挟んだ。


「ヘブッ」
「先に言うことあるでしょ?」
「···ほへんははひー····」


わざとらしく聞き取りにくい言葉で謝ると、広海の眉間に一層深いシワができる。あ、調子乗りすぎたなこれー!殴られるーー!殺されるーー!!····ない·····??

身構えた俺の予想に反し広海は、深い溜息を吐きながらも俺の頬から手を離した。
そして、時間が無いから俺の部屋で寝る。と言って、何の用意もしていない俺の手を引いて足早に部屋から出た。



「な、なんなんだよ·····」




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