生徒会長 U




「生徒会長の西園寺竜二です」
「ふん、遅かったじゃねぇか」
「すまないね、でも2時には間に合っているだろう?」
「1時59分56秒。ギリギリだな」


フンっと花を鳴らしてドヤ顔を俺に晒すこいつは風紀委員長の獅子宮馬鹿。もう一度言う、獅子宮馬鹿だ。

馬鹿と書いてめろくと読むらしいが、俺は本気でこの名前をつけた親の神経を疑う。
ちなみに獅子宮も自分の名前を嫌がっているらしく、名前で呼んだらキレる。


「····君は本当、いらないところで細かいね。め、ろ、く、くん?」


だから敢えて、俺は下の名前で呼ぶ。



そしてその瞬間、風紀は大袈裟に肩を揺らし、こめかみに青い筋を浮かべた。


「こんの···クソ生徒会長がァ゛ッ゛!!俺は、獅子宮、だ!!」


ムキになったようにそう言ってキャンキャン吠える風紀は今日も今日とていつも道理のアホさを発揮していて、風紀副が丸めたプリントで獅子宮の頭を叩く。

「はっ晴後···!お前今叩いたな?!俺を叩いたな?!」
「ええ、叩きましたけど?」
「ぐ···お、俺はお前の先輩だぞ?!しかも委員長だ!もっとこう···慈しみ敬え!!」
「お言葉ですが委員長、慈しみの意味わかってますか」


え、それはほら、あれだろ···と言ってこっちをチラチラ見てくる獅子宮はやっぱ馬鹿だ、バカ。


「すみませんね会長···うちのバカが」
「あ、お前今バカっていったか?!」
「え?私はただ貴方の名前を···あ、すみません、めろく(笑)でしたね」
「うううるせェエ!!」


こいつら本当仲良いよなぁと思いながら漫才さながらの掛け合いを見ていると、突然、ドタバタと大きな音が聞こえてきた。


「···どうやら来たようですね」
「ふんっ、お前ら生徒会はまだ奴のケツを追いかけてるのか。あいつのどこがいいんだから俺には全くわかんねぇ」
「一緒にするのはやめてもらえるかな?」
「別に違わねーだろーが」
「ははは、不服だなぁ」
「はいはい、委員長はもう仕事してください。会長、アイツらがここに来る前にさっさと逃げてください」
「ああ···すまないな、恩に着る」


いいですから、と言って風紀副は生徒会宛の書類をまとめると、大変かも知れませんが、この学園の為にどうかお願いしますと言って俺に手渡した。

···ほんと、このバカには勿体無いほど優秀な奴だなコイツ。うちの生徒会のアホ共も見習うべきだわ...


「じゃあ、失礼する」
「さっさと出てけ!」





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