友達 VI




「部屋は結構片付いてるんだ、もっとグッチャグチャのイメージだった」
「お前の花ノ下のイメージって···」
「なにこれ、ヅラ?気持ち悪っ」
「あんま触んないでやれ、大事なものなんだろう、多分。あっちにもいっぱいあったし。」
「えー、キモイ」


こいつ仮にも人のものをよくここまで無下に扱えるな···。顔がいいやつはみんなこんななの?偏見持っちゃうよ俺。
───にしても、花ノ下はほんとになんであんなヅラ被ってるんだ?普通にしてたら可愛いのに、うん。あれだけ可愛かったら親衛隊も許しちゃうだろ。


「あ、これ中学の時も持ってたよね」


俺が広海の投げ散らかした花ノ下のヅラを片付けている横で、広海が楽しそうに笑う。
何事かとそちらを見てみると、広海が俺の秘蔵AVが入ったダンボールをあさって·····あさって?!


「なっっなななな!!!」


俺はバッと広海の手に握られたおそらく一番お気に入りのAVであろうDVDを取り上げ、近くのダンボールに乱暴に押し込んだ。


「別にいいじゃん。それあげたの俺だし」
「そ、そういう問題じゃなくてだな!」
「えー?抜きあいっこした仲じゃん」
「あッあああ、あれは忘れろ!不可抗力だ!!」
「平凡な顔が真っ赤になって大変なことになってるよ」

「うるせえよ!」と叫びながら近くに落ちていたマイ枕投げつけるも、広海はそれを軽々と片手でキャッチする。


「だ、第一、あれはお前が!みんなその、や、や、…ゃ…ってるっていうからだな!!」
「やってるよ」
「やってない!!」


なぜなら俺が他の友達にその話したらこれでもかってぐらい引かれたからなのだ。そのせいでしまいにはホモだって噂まで流された。
好きな子に告白したら「え?前川くんには笹井くんがいるでしょ···?」なんて···こんなフラれ方あるか!?許せん!許せんぞ!!


「ふーん。でもここじゃ、皆やってるよ。」






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