友達 X





「用意できたから、あいつが帰ってくる前にお前の部屋に···」


部屋から出てきた広海を見るなり、俺は「広海くんったら!」と叫びながら広海に飛びついた。


「うっわ、なに?キモい。平凡が伝染る」
「このツンもいつかデレが来ると思うと可愛いものだな。つうかなんだよ平凡が伝染るって。流行病か?」


平凡が流行病なら俺もそれに感染してるだろな、なんてバカなことを想いながら、よっこらせと広海から離れた。


「多分、花ノ下は今生徒会室にいると思うから。急ぐよ」
「生徒会室···?それって花ノ下みたいな一般生徒が入っていい所なの?」
「そんなわけないでしょ?だから親衛隊も尚更イライラしてるんだよ」


本来なら罰せられることをしていて、しかもそれを想い人が自ら許している。
アイドルの自宅まで凸するみたいなもんなんだろうか。実感はわかないが、それが悲しいことなのはわかる。というか御法度じゃん。

···あれ?今思うと、親衛隊って結構当たり前のことしてるんじゃないか。いやそれで全く関係の無い俺に刃先向けるのは間違ってるけど。


「あ、ちょっと!広海!置いてくなってー!」







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