今日はカグヤの初めての仕事だ。今までも細かにはしてたが今日は大手を振って殺しができる。

メンバーはシャルナーク、クロロ、マチ、フィンクス、カグヤだ。


警備員が大勢並ぶ美術館、クロロの合図でフィンクスとカグヤが飛び出した。

二人めがけて発砲される銃弾をフィンクスは手で掴みながら、カグヤは傘で弾きながら簡単に進んでいく。

その隙に残りのメンバーは館内へと侵入した。外ではドカカカカカとカグヤの番傘の音が響いている。


「片付いたな」

「カグヤ、仕事早いよね」

「あの傘は本当に便利だな」


残っていた警備員を殺しながらシャルナークは金庫につく、手慣れた手つきで金庫を開ける。すると中にはさらにダイヤルがあった。


「団長、少し作戦とずれたよ。二重扉だ」

「開けそうか?」

「わからない、中と外じゃ暗号が違うみたいだし」

「ふむ。マチ、カグヤを呼べ」


汚れ一つついてないカグヤが楽しそうに金庫に到着するとクロロは早速金庫の暗号を教えダイヤルを開けろと命令した。


「シャル、いいよ。僕に任せて」

「でも」

「シャル、やらせてみろ」

シャルナークが避けるとカグヤは床に図面と公式をズラズラと書いていく。見たこともない公式だった。そして出された四桁の数字をダイヤルに打ち込むと簡単に扉が開いた。



「すご…」

「言った通りだろ、早く中のモノを運び出せ」


盗みを終えて夜の街を駆ける中シャルナークはそっとカグヤに問いかけた。


「さっきの公式、なに?」

「あれは僕が宇宙海賊だった頃習った式を応用して作ったんだよ。独学よりだけどね、ああいった暗号はだいたいあの式で解ける」

「へー、凄いな。カグヤがいなかったらわからなかったよ」

「シャルにも後で教えてあげるよ」

「え!本当?」

「僕結構スパルタだけど大丈夫?」

「全然!むしろ厳しい方が覚えがいがあるし」

「じゃあ覚えるまで寝かさないヨ」


笑っていたが、その日から三日間本当にシャルナークは一睡も寝ることが許されず死ぬ気で公式を覚えた。



新たな生き方
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