「前から気になっていた月兎がまさか自分からやって来てくれるとはな」

団長と呼ばれた男は本を閉じて僕を真っ直ぐ見下ろす。


「ふむ…珍しい色をしてるな、フェイ包帯を、とれ。素顔が見たい」


言うや否や黒チビが僕の顔目掛けて隠し刀を振り落とす。傘でそれを弾いて距離をとるが黒チビもなかなか速い。



「悪いけど僕今イライラしてるんだヨ」

「そんな事関係ないね、団長命令、これ絶対」

黒チビから出た団長と言う単語に僕の血がざわりと沸き立つ。


「今度僕の前でアレを団長呼ばわりしたら、殺しちゃうゾ」


黒チビに僕の蹴りが入る、がスレスレで腕でガードしたらしく腹部には当たらなかった。舌打ちしたくなるのを我慢して番傘を思い切り振り回す。


「クロロ、そういうつもりでカグヤを連れて来た訳じゃないんだ

「名はカグヤか」


ヒソカめ、何を勝手に名前をバラしてるんだい?そんな男に名前を知られるのも嫌だっていうのに。


「油断大敵、よ」

ヒソカ達に気を取られてる好きに黒チビが包帯に手を掛ける。同時に傘先を黒チビに向け柄に付いてるマシンガンスイッチを押した。



ガガガガガガガガガガガと音が響き黒チビが避けたせいで彼方此方のコンクリートに辺り砂埃のようなモノが舞う。

ゴホゴホと口元を押さえると包帯は取られていた。あの黒チビめ。



一目惚れならぬ一目嫌い
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