ふむふむ、ここの窓からはこっちの林にいけるのか。

なら反対は森か?

つーか窓も防弾ガラスかよ。まぁ念でなら…割れるか?割れるよな?

正面玄関は見張りがいるし。

あー、いつ逃げるか。


そんなことを考えて歩いていれば一つの扉の前に辿り着いた。

なんだこの部屋。
他の扉より頑丈だしデカい。

「隠し扉だったり…?」

ギィィィと重い扉を開けるとそこは誰かの部屋だった。


「なんだよ…ただの部屋か」

子供部屋か?
玩具みてぇのが散らばってるし、ゲームもたくさんある。


「お!おおお!」

積まれているチョコロボくんに思わずテンションがあがる。

なんだよ、少年ジャンピンもあるじゃん!


誰の部屋か知らねぇけど、気が合いそうだ!


そんなこと思いながらチョコロボくんを食べながらジャンピンを読んでいると部屋の扉が開いた。

入ってきたのはあの銀髪の猫目クソガキだった。


「なっ!てめ!俺の部屋で何してやがる!」

えー、お前の部屋なの?

「あ、わり。探検のつもりがつい寛いじまった」

「でてけよ!何チョコロボくん食ってんだよ!ジャンピンも!」

バッと俺からジャンピンを奪い取る猫目。
いや猫目って読んだらここの兄弟全員そうだな。
なら銀髪?いやそれはシルバさんとゼノさんと被るから


「うるせーぞたんぽぽ綿毛」

「てめぇっ!」

たんぽぽ綿毛が俺に向かってくるのを片手で押さえてグリグリすると綿毛はぎりぎり悔しそうに俺を睨む。


「てめぇなんかイルミの許婚でお似合いだ!」

え、なに。
この言いぐさだとあいつ嫌われてんの。


「お前あいつ嫌いなの?」

「好きなわけねーだろ!」

ふーん、ここの兄弟も難しいな。


「へぇ、そこだけは気が合うじゃん」

「はぁ!?お前と気なんか合ったって嬉しくねぇっつーの!」

綿毛は心底嫌そうに言うがほんのり頬が朱に染まっていた。

お?なんだこいつ。
結構可愛いとこもあるじゃないか。


「俺お前は好きかも」

「は、はぁ!?!馬鹿じゃねーの!お前なんかゴメンだね!」


次は耳まで真っ赤になる綿毛くん。

ああ、なんだ。


(こいつは好きかもしれない)


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