「本当にやるの親父」

「お前だって結婚適齢期だろイルミ、それに女のロアちゃんは美人だろ?母親にそっくりだ」


イルミを筆頭に兄弟達は渋々と庭に出る。

シリウスはどこから出したのかバケツの水をバシャリとロアにかけた。


「かけるなら言えよ!冷てぇんだよクソ親父!」

「のん!パパって呼びなさい!」


男の姿になったロアはバキボキと指を鳴らし冷めた目で兄弟を見る。


「で?誰からやるの?やっても無駄だと思うけど」

「じゃあ僕から」


言うや否やカルトがロアに攻撃をしかける、があっという間に地面に叩きのめされる。


「弱い、次」

「調子に乗りやがって!次は俺!」


ロアの態度にムカついたキルアが手を操作しながらロアに向かう。
カルトよりは長く続くが圧倒的にロアのほうが押してる。横腹に蹴りを入れられキルアは地面に転がった。



「まだまだだね、で?次」

「お、俺はいいよ!だいたい俺は力じゃなくて頭で戦うタイプだし!」


自分より強い弟達があっという間にのされるのをみてミルキは冷や汗をかきながら首を横に振る。



「じゃあ最後は俺か」


イルミはやれやれと面倒くさそうにロアに針を向け投げる、がロアはそれをヒラリとかわして死角から蹴りを入れる。それと同時にイルミは脚を掴んで投げ飛ばそうとするがひらりと空中で体制を変えられそれは叶わなかった。



流石ゾルディック家の長男、ロアとほぼ互角にやりあう。いや、ゾルディック家の長男と互角のロアが凄いのか。



イルミは攻撃をしながらも自分の中に湧き上がる感情に気付いた。楽しいのだロアとの戦いは。今までにない体術、スピード、攻撃力。



結果二人の勝負はつかず見かねたシルバが止めて戦いは終わった。


「長男以外みんなヘナチョコじゃん、パスパス」

「まだ育成中なんだよ、てゆうか言うわりにはたいしたことないよね」

「何だとこの能面男」

「なに?この変態体質」


バチバチと睨み合う二人を見てシルバとシリウスはニヤリと笑い合い、シリウスはどこから出したのかヤカンからドボボボとお湯をかけ女の姿に戻ったロアの肩とイルミの肩をポンポンと叩いた。


「イルミ君となら上手くやっていけそうだね!」

「決まりだな、よかったよかった」

「は?」
「え?」

「よかったロア、パパ花嫁姿楽しみにしてるよ」


「人の話を聞けェェェェェエ!!!!!」


ロアの怒号の叫び声がククルーマウンテンに響き渡った。



(どうしてこんなやつと)


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