雪がしんしんと降り積もる。

今日はマルフォイ家主催の大規模なパーティーだ。
生憎母上はいない。
ここ最近様々な家に呼ばれたせいか疲れが溜まっているらしい。

自分の家が主催しているといつもより少しだけ気が楽だ。

だがきっと彼女には会えないだろう、彼女はこのパーティーには来ない。

そもそもベルガモット家とは仲が良くないこともあるが招待状を出していない。

少しだけ憂鬱な気持ちを振り払って客人に挨拶をして回る。

気持ちを乱しちゃいけない、僕は僕を演じなければ。


どれくらい時間が経っただろうか。

噂話や自慢話に花が咲いた頃、開かれた扉にそれまでの喧騒が嘘のように静かになった。


彼女だ。

僕は彼女に挨拶をしようと歩き出すと静かな広場に声が響いた。



「よくまぁ来られたこと」


誰かがそう言った。


「愛人の子のくせに」


誰かが嘲笑った。


「父親に会いたくなったのかしら」


誰かが哀れんだ。



僕の頭を誰かが殴りつけた気がした。足が泥に捕らわれたようにもたつく。


誰かが囁く、誰かが嘲笑う、誰かが憐れむ。


そして言葉になって僕の中に流れ込む。


いない時を マルフォイ 恥晒し 隠し子 愛人 ナルシッサ


腹違い


あぁ、彼女は僕の




夢ならココで終わらせて
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