手入れをしましょう。



「アネモネの髪は綺麗だ」


現在、アネモネは風呂を済ましクロロに髪を乾かして貰ってる所であり。


「きれ、い?」


キョトンとしながら振り向くとクロロに前を向きなさいと言われたので向き直る。


「あぁ、白に銀が混ざって綺麗だ」

珍種、かつてそう言われた商品が此処まで旅団の団長および団員をメロメロにさせてるのだ。


「あ」

ふと、アネモネがいくつかの気配に気が付いた。


「まち!ぱく!しずくー!」

彼女達の姿が見えると笑顔になり、走って抱き付く。


「久し振り、アネモネ」

「あれ?髪が濡れてるよ?」

3人は抱き付いてきたアネモネに笑みを漏らす、と同時にまだ髪が濡れてるのに気付いた。


「クロロ、乾かして、くりゃた!」


アネモネがニコニコと答えると3人は一斉に眉を潜めた。


「アンタ、まだ団長と入ってたの」

「?、うん!クロロと一緒ー!」


まるで、花が咲いたように笑うので皆、頭を抱えてしまった。


「アネモネ、まだ乾かしきってない。風邪ひくぞ。此方に来い」


クロロが呼ぶとアネモネはとてとて走っていき、クロロの膝の上に座った。


「〜〜〜っ!。…ハァー……」

マチはギリギリとクロロを睨み付け、諦めたように溜め息を吐いた。


「仕方ないわマチ、アネモネは団長のモノなんだから」

パクノダは苦笑いしながらクロロの隣に行った。


「はい、団長。いつものトリートメントよ」

「あぁ、有り難う」


クロロは受け取ったトリートメントをアネモネの髪に付け、馴染ませていく。


「いったいアレは何をしてんだい?パク」

マチがクロロの行為を訝るようにパクノダに問い掛けた。

「あぁ、アレはトリートメントよ」

「それはあたしだってわかるよ。トリートメントは風呂でしてるだろ?今やってんのもトリートメントなの?」

「えぇ、洗い流さないトリートメントよ」

「なんでまた2回もしてんだい?」

「その方が艶が出て更に輝くからって団長が希望したのよ」


マチは開いた口が塞がらなかった。
確かにマメだと思っていたがここまでやるとは…。


「よし、出来たぞ」

乾いた髪をさらりと撫で上げ、クロロは満足げに笑みを浮かべた。


「ありがとうクロロー!」

アネモネはキラキラ輝く髪を靡かせ、3人に駆け寄った。


prev next