次の日の朝、僕が廊下に差し掛かるとあの忌々しいウィーズリーの双子がニヤニヤしながらこっちを見てたんだ。

スリザリンの生徒は特に何も言わなかった。だからそんな気に留める必要ないと思ったんだ。


そしたらウィーズリーの双子の片方が

「い、きやぁあああああああああ!!!!」

叫びやがった。


周りの奴らは皆笑い出したよ。


僕かあの賤しいウィーズリーを罵ろうと口を開こうとすれば奴ら


「マルフォイお坊っちゃんはキスの仕方も知らなーいー!!」


なんて馬鹿げた事言い始めた。


あのハッフルパフ生めっ

あの女のせいだ。


文句を言ってやる!


ズカズカと歩いていれば前方に蜂蜜色が見えた。

「おい!お前!昨日はよくもこの僕に恥をかかせてくれたな!」


グイッと腕を引っ張りこちらを向かせると、蜂蜜色の瞳が僕を映した。


つい視線が桃色の唇に行ってしまう。


ドクンッと鼓動が早くなる。


顔が、熱い。


「おい!聞いているのか」

いつまでもポヤンとしてる女を揺らせば女はキョトンと僕を見つめた。



「あなた、だぁれ?」

コテンッと首を傾げた。


こいつ…ふざけてるのか?
あんな事しておいてこの僕を忘れるだと?


「僕はドラコ・マルフォイだ!昨日お前がキスした相手だ!」

「キス…?」


また女は首を傾げる。


こいつ、本当に覚えてないのか?


「蜂蜜のお菓子を僕にかけただろう、」

「あ、蜂蜜味の人」


女はやっと思い出したのかふんわりと笑った。


「私、蜂蜜大好きなの」


不覚にも、その笑顔が可愛いと思ってしまった。


昨日はあまり見なかったが、この女、顔はいい方だ。


ふわふわの蜂蜜色のボブヘアーに、クリンと大きな蜂蜜色の瞳。白い肌で際立つ桃色のプルンとした唇。

彼女のすべてが、甘く感じる。


「僕は名前を言ったんだ、キミも名前ぐらい言ったらどうだ?」


「私はハニー・メープル」


ハニー…、よくわからない奴。


なのに、何故僕の心臓はドクドクとうるさいんだ。


はじめましての繰り返し
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