「ドラコのお姉さまって素敵よね」

幾度も聞いたその台詞に僕は慣れたようにあぁ、と短く返事をする。


「あんなに綺麗で、頭もよくて」

「何せ監督生だからな」

横からザビニが口を出す、思わず眉を顰めたが彼は気にせずパーキンソンと会話を続ける。


「容姿端麗、頭脳明晰。完璧すぎるのに嫌味じゃない」

「気取らないとこも彼女の魅力さ」


あぁ、その気取らなくて誰にでも優しいおかげで調子に乗ったウィーズリーの双子が姉上にベタベタとまとわりついているがな。


心の中で悪態をつく僕には気づかずザビニはうっとりとした口調で姉上の魅力を延々と語りそれにパーキンソンも満更じゃない様子で聞き入っている。馬鹿馬鹿しい、お前達の語ることなんて少しも姉上を理解していないのに、


「なぁドラコ、ローズはボーイフレンドいないんだろ?俺立候補したいんだ。だからドラコからも」


プツリの僕の中で何かが切れたように飲んでいた水をザビニにかけた。


「調子に乗るな、姉上が君みたいな低俗な男と付き合うわけないだろ。あと気安く呼び捨てにするな、実に不愉快だ」


シンと周りが凍りついたのを感じたがどうでもいい。ローブを翻してその場を後にした。


いつまでも蕾ではいられない

prev next