ジムに ちょうせんしてみよう
私は自分の肩に乗っているヒコザルの返事を待つ。
ヒコザルの大きな目が私を捉える。
「どう?ジムに挑戦してみたい?」
私がそう言うと、ヒコザルは表情を変えて返事をした。
嬉しそうな表情だ。…きっとこの子はバトルが好きな子なんだろう。
「決まりだな」
「はは……。そうみたいですね」
博士の言葉に少し乾いた笑い声が出た後、そう言った。
……ヒコザルが嬉しそうだから、ジムに挑戦してみようか。
「それに、カントー地方のジムを全て制覇している君がこの地方のジムリーダー相手にどこまで行けるのか、見物だな」
ナナカマド博士の言葉に少し苦笑いを浮かべる。
……私、バトル得意じゃ無いって言ったと思うんだけどなぁ。
「あっ、そういえば少し前に二人の男の子がポケモン貰ってジムに挑戦するー!って言ってた気がします!」
「新人トレーナーかな?」
「はい!」
ヒカリちゃんによると、二人の男の子が新人トレーナーとして数日前に此処を訪れたらしい。
「えっと、確か名前は……」
「コウキとジュンだ」
「そうそう!その二人です!」
名前を覚えてなかったらしいヒカリちゃんに、博士がフォローする。
コウキ君とジュン君……ね。
まだ見ぬ……というより、顔も姿も知らない2人の少年に心の中で応援する。
「もしかしたら、何処かで会えるかも知れませんね!」
「世界は広いよ?そう簡単に会えないと思うけどなー」
ヒカリちゃんの言葉にそう返す。
「此処から近いジムは、クロガネシティにあるクロガネジムだな」
「クロガネシティは途中で通ったコトブキシティの東に行けば着けると思います!」
ナナカマド博士とヒカリちゃんの言葉に首を縦に振る。
ポケギアにマップ見れるように読み込めないかなー……。
「……よし、じゃあ行ってみますか!」
目指すはクロガネジムのあるクロガネシティへ!
私の言葉にヒコザルが可愛らしい声で返事をした。
***
「所で、この地方のマップを読み込めるポケギアの拡張カードは何処で入手できるかご存じですか?」
「それよりもタウンマップを手に入れた方が楽だと思うが……」
どうやらシンオウ地方ではポケギアはあまり使われていないらしい。
うーん、じゃあタウンマップを買うかぁ。記念にもなるしね。
「所でナマエさん!これにご興味ありませんか?」
「……時計?」
ヒカリちゃんが見せびらかしてきたのは、ピンク色の可愛らしい時計だった。
「まあ時計は時計なんですけど……ポケモンウォッチって言うんです!」
「……ポケモンウォッチ」
「ポケモンウォッチは様々なアプリが入っている高性能の時計です!私がつけているのがそのポケモンウォッチ、略してポケッチです!」
「ほほー…」
色んなアプリが入っている時計か……。
「コトブキシティで買えますよ!ナマエさんにきっと似合います!」
「……そこまで言うなら買おうかな」
お金には困っていない。
ポケモンバトルで得た賞金が結構余っているので、そのまま持ってきたのだ。
「コトブキシティはここから東に行けばありますよ!」
「……よし。まずはコトブキシティで買い物だ」
2021/09/23
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