きみにきめた!



「……私、この子にします!」


私が選んだのは___


「こざるポケモンの『ヒコザル』でいいのかな?」

「はい!」


愛らしい大きな瞳をこちらに向けるポケモン、ヒコザルだ。
ナナカマド博士の言葉に返事をすると、何かが私の肩へ登ってきた。


「わあぁ…っ、ヒコザル…っ」


登ってきたのはヒコザルだったようで、私が名前を呼ぶと可愛らしい声で返事した。


「ナマエさんって、ポケモンとすぐ仲良くなれちゃうんですね!」

「確か、オーキドもそんな事言っていたな」

「そ、そうですかね?」


ヒカリちゃんとナナカマド博士の言葉にヒコザルを撫でながら返事をする。
そういえば、レッドとグリーンも似たようなこと言ってたな……。


『僕のピカチュウ、ナマエに撫でられるの好きみたい』

『お前、ポケモン誑しなんじゃね?』


レッドはいいとして、グリーンは完全に馬鹿にしてたよね。
そんなんだったら困るよ!?ていうか、ポケモン誑しって何!?


「所で、君はジムバッジを8つ持っている実力者と聞いている。なのに、カントー地方のポケモンリーグに参加しなかったらしいな」

「はい。別に私はチャンピオンになりたいわけじゃないので」

「ふむ……。バッジ8つなど中々とれるものではないのに、勿体ない」

「あはは……」


どうやらナナカマド博士は、オーキド博士に少し私について聞いているようだ。
少しだけ照れくさい。


「どうだ?ヒカリとバトルしてみんか?」

「へ?」

「え?」


ナナカマド博士の言葉に私とヒカリちゃんは同時に声を漏らす。
……何て言った?ば、バトル?


「そ、そんな!私、ポケモン勝負は得意じゃ…」

「カントー地方のジムバッジ8つ持っていながら何を言う。その実力、見てみたい」

「うぅ……」


ナナカマド博士の言葉には流石に反抗できず、渋々了承する。
……こうなったら前向きに捉えよう!ヒコザルを知るためだと思って!!



***



ヒカリちゃんに案内されながら外に出ると、研究所の裏にはバトルフィールドがあった。
そこでバトルを行うことに。

審判は博士が執り行って下さるようだ。


「よろしくね、ヒカリちゃん」

「はい!こちらこそ、よろしくお願いしますっ、ナマエさん!」


互いに言葉を交わした後、位置に着く。
そして、先程から私の肩に乗っていたヒコザルの頭に触れる。


「さあ、初めてのバトルだよ。貴方の実力、見せてね!」


「いけ!ヒコザル!!」と、声を出す。
ヒコザルは返事をして、フィールドに向かって私の肩から飛び降りた。





2021/08/11


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