対 御影専農中



次の日

帰り道


「……またかよ」


練習場所変えてくれないかなぁ、と思いながら河川敷で練習しているサッカー部を睨み付ける。
はぁ、今日も遠回りか。
昨日と同じ道を通っていると、後ろからクラクションが。


「うるさいなぁ」


そう思いながら後ろを見ると、トラック走ってきた。
横に避けて通れるように道を開けると、僕の横を通る前に止まった。…なんだよ、折角避けてあげたのに。
そう思っていると、トラックの後ろが開いた。


「な、なんだあれ…!」


めっちゃゲームに出てきそうな感じ!!
と、思って眺めていたが、よく見たら偵察ための道具だった。いやぁ、徹底的だねぇ。
河川敷で練習しているサッカー部達も僕と同じで驚いていたようだが、練習に戻っていった。


「……あ、やっぱり春奈いた」


最近、学校が終わって放課後になると、春奈はすぐに教室を飛び出していく姿を見ている。
…何をそんなに聞き出しているんだろう。
今日は制服だし、降りていっても問題ないだろう。
こっそりとその背中に近づいて、


「わっ!!」

「きゃあッ!?」


驚かせる。
おぉ、良い反応。
「…こんなことをするのは…、」と言いながら振り返る春奈。…あ、逃げた方がいいかも


「やーっぱり、名前ね!!」

「ぐえっ」


と感じ取って方向転換しようとしたら、制服の襟を掴まれた。


「何で此処に?」

「春奈がいたから」

「今練習中なのよ!?見て分かるでしょ!?」

「だって〜、最近すぐ教室出て行っちゃうから」


春奈の言葉にそう返していると、隣にいた女の人…マネージャーさんが笑った。
それに少し顔が赤くなる。
笑わなくても良いじゃん…。


「音無さん、お友達?」

「はい!すみません、変な声出しちゃって…」

「いいのいいの。あ、良かったら見学していく?」


春奈と話していたマネージャーさんが僕にそう言った。


「う〜ん、じゃあちょっとだけ」


そう言ってベンチに座る。


「名前もマネージャーやる?」

「マネージャー?なんで?」

「放課後も、私と一緒にいられるわよ」

「何言ってんの?春奈は新聞部だろ?」


春奈の言葉に首を傾げる。


「あ、言うの忘れてた。私、サッカー部のマネージャーになったの!」

「…はぁ?」


まさか既にファンからマネージャーに昇格してたとは…。
それに、昨日思ってたことが的中したし…。
そのことに溜息を吐いた。





2021/02/18


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