対 尾刈斗中



「……へぇ、弱い自覚はあるんだ」


聞こえてきたキャプテンさんの言葉にそう零す。
先程のキャプテンさんの言葉にあった『1人1人の力を合わせる』『俺達が守り、お前達が繋ぎ、彼奴らが決める』…そして。


「『俺達の1点は、全員で取る1点』、か。…良いこと言う」


キャプテンさんの言葉を口に出してみる。
……ああ、分かった。
弱いチームなのに何故か気になってしまうのは…あの人がいるからだ。


「…あの人の名前、何て言うのかな」


試合は再開しており、チームメイトに向かって言葉を送っているキャプテンさんを見る。
ボールは雷門の7番さんから11番さんへ渡る。


「GKも催眠術だけど…。あの11番さんは気付いてるのかな」


11番さんは尾刈斗中のスライディングを躱して、尾刈斗中ゴールへと向かう。
……あの様子だと、気付いてなさそうだな。
そう思っていると、後ろから上がってきた豪炎寺修也が11番さんの横に並び、何かを伝えている。…気づいたみたいだね。

11番さんの前に、尾刈斗中のDF2人が立ちはだかる。
なのに、11番さんは隣にいる豪炎寺修也にパスする事なくシュート体勢に入る。


「…必殺シュート。いや…」


パスか。

豪炎寺修也の名前を呼んでいたので、そうかな、と思ったんだけど当たった。
青いドラゴンを纏ったボールはゴールにではなく、上へとあがる。
そのボールに向かって上がっていく炎。


「へぇ、合体技か。…かっこいいじゃん、赤いドラゴン」


11番さんのシュートに、豪炎寺修也は自分の必殺シュート“ファイアトルネード”放った。
その攻撃に反応出来なかった…いや、催眠術の範囲外だったから止められなかった。
ボールが、尾刈斗中GKと共にゴールに入る。

3-3
…雷門は同点へと追いついた。





2021/01/17


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