対 尾刈斗中



「…良いのか?最後まで見なくて」

「フンッ、結果は見えている」


視界の横が動いた気がしたので、ちらっと見る。


「帰るの?お兄さん達」

「ああ」

「そう。ばいば〜い、お兄さん達」

「……『鬼道 有人』だ」

「鬼道有人さん、ね。そこの11番さんは?」


帝国学園のキャプテン…鬼道有人さんの名前を口に出してみて、次に帝国の11番さんを見る。


「『佐久間 次郎』だ」

「佐久間次郎さん、か」


帝国学園の11番さんは佐久間次郎さん。
壁に寄りかかったまま話すのは失礼だし、きちんとした離れて2人と対面する。


「じゃあ改めて。ばいば〜い、ストーカーのお兄さん達」

「ストーカーではない。……さっさとフィールドに戻ってこい、“光のストライカー”」

「苗字名前っていう名前があるんだけど?」

正門を出た2人の背中に向かって先程の鬼道さんの真似してみたんだけど、気付いてくれたかな?……この感じは気付いてるな。


「勿論知っているさ、苗字名前。早く戻ってくるんだな」


鬼道さんはそう言って歩き出した。
その後を佐久間さんが追うように歩いて行った。

2人と会話している間に、雷門中は4点目を入れていたらしく、ホイッスルが鳴り響いた。…試合終了だ。
スコアを見ると、4-3で雷門中の勝ちだった。


「勝てたんだね。…おめでとう」


喜び合っている彼らを見て、ヘッドフォンを耳に当てる。
携帯を取り出して、帰り道何を聴こうかな、と曲を選びながら帰路を歩いた。





2021/01/17


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