対 尾刈斗中

side.×



豪炎寺の登場に喜ぶサッカー部。主に1年生である。…一部、不満そうな人がいるようだが。
豪炎寺を見つめていた円堂は、彼の後ろに見える橋に誰かいる事に気付く。


「……あー!!君、この前の!!」


急に円堂が大声をあげたことで驚く部員達。
丁寧なことに、指を指しながら叫んでいたので全員がその方向に視線を向けた。
そこにいたのは、私服姿の名前だ。

パーカーにふくらはぎ程の長さのズボンを履いており、円堂が名前を初めて見た時の格好はジャージで、現在のように髪を下ろしていた。
なので、円堂はあの時誘った人物だと思い、声をあげたのだ。


「あ、行っちゃったッス」


名前は円堂達に手を挙げて反応し、河川敷に降りていく事無く歩き去ってしまった。
それを見て、壁山がそう声を漏らした。


「キャプテン、知り合いッスか?」

「いや、帝国との試合前に声を掛けたんだよ」


壁山の質問に円堂はそう答え、顎に手を当てる。


「な〜んか、頭に残ってるんだよなぁ〜」

「あんな奴、学校にいたか?」

「遠くから見ただけじゃわかんねーな」


う〜ん、と首を傾げて唸る円堂。
風丸と染岡が先程いた名前を見て、互いに声を掛ける。
誰もが誰だ、という反応の中1人だけ驚きの反応を見せていた。


「彼奴は……!まさか、な」

「ん?豪炎寺、知ってるのか?」

「……いや、人違いだろう」


先程の人物にどうやら豪炎寺は見覚えがあるらしい。
豪炎寺の呟きを拾った円堂が彼にそう問うが、人違いだと首を降って黙ってしまった。


「さっきの人……。苗字さんに似てたでヤンス」


栗松がそういえば、と言うような口調でそう言った。
それに反応したのは円堂だ。


「苗字?彼奴、苗字って言うのか!」

「本人だったらでヤンスけど」


栗松も遠い所から見てそう思っただけなので、はっきりとした事は言えないようだ。
しかし、栗松の言葉に1人反応した人物が。……そう、豪炎寺だ。
豪炎寺は先程苗字がいた場所を見て、目を細める。


「(……探してみるか。本当に“光のストライカー”本人だというなら)」


豪炎寺はジッと名前がいた場所を見つめた。





2020/12/27


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