対 木戸川清修中



「3対1で俺達の勝ち!みたいな?」

「人数の問題じゃないだろ!」

「いえいえ、人数の問題です」

「俺達は常に三位一体なんだよ!


駄菓子屋を覗くと、三人の男と円堂さんが言い合っていた。
……しかし、そっくりだなぁ。あの3人。
そう思っていると、三人の男の一人がこちらに気付く。
そして、その三人の男の一人が「豪炎寺!」と言った。……豪炎寺さんの知り合い?


「久しぶりだな!決勝戦から“逃げた”ツンツン君!」


……ツンツン。確かに、豪炎寺さんの髪型はツンツンだけど…。
それより、逃げたって?
隣に立っている豪炎寺さんを見上げると、視線を下に下げていた。


「誰?知り合いか?」

「俺達は!」

「武方勝!」

「友!」

「努!」

「三人合わせて、武方三兄弟!」


……多分自己紹介なんだろうけど、正直覚えきれない。だって誰が勝で誰が友で誰が努か、わっかんないもん。
あと、狭いんだからそこで決めポーズするなよ。迷惑だろ。
ジト目で彼らを見つめていると、円堂さんが「何なんだよ、こいつら!?」とこちらを振り返って三兄弟を指を指していた。


「そいつらは、去年豪炎寺の代わりに決勝に出場した、木戸川清修の3TOPだ」

「えっ!?じゃあ豪炎寺の元チームメイト!?」


あ、そうだった。豪炎寺さんは元々雷門中じゃなかったんだった。
それだけは知ってたけど、元々木戸川清修っていう学校にいたんだー。


「流石は鬼道有人。有力選手のデータは全てインプットされているみたいじゃん?」

「ふっ、三つ子のFWが珍しかったから覚えていただけだ」

「ぶふっ」


三兄弟の一人の言葉に鬼道さんが返した言葉に思わず吹き出す。口に何も入れて無くて良かった。


「なにーッ!?今年の俺達の活躍を知らないのか!?豪炎寺がいなくても勝てるって証明したのに!」

「今の木戸川清修は、史上最強と言っても良いでしょう。豪炎寺よりもすんごいストライカーが、3人もいるんですから」

「ま、なんつーか?準決勝の相手が雷門中じゃーん?かるーくご挨拶、みたいな?」

「宣言しに来たんですよ」


そう言って三兄弟はまた謎の決めポーズをした。


「俺達が豪炎寺修也を叩き潰す、とな!!」


……と言って。
だから、そこで決めポーズしたら迷惑だろ。





2021/02/21


prev next

戻る














×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -