第3節「林間合宿 後編」


side.荼毘



「おい荼毘!無線聞いたか!?テンション上がるぜ〜、Mr.コンプレスが早くも成功だってよ!しかも姫の回収にも成功!…遅えっつうんだよなあ!?眠くなってきちゃったよ」

「そう言うな、よくやってくれてる。後はここに戻ってくるのを待つだけだ」



Mr.コンプレスから無線が入り、爆豪勝己の回収に成功。また、一度逃がしてしまった姫___苗字名前の回収にも成功。
やはり彼奴に任せた方が良かったな。



「予定じゃここは炎とガスの壁で見つかりにくいハズだったんだがな……ガスが晴れちまってら。予定通りにはいかねぇもんだな……」

「そりゃそうさ!予定通りだぜ」



ガスが晴れたって事はマスタードがやられたって訳か。……ま、結果的に二人の回収に成功しているから良しとしよう。



「……」



今、草陰に誰かいた気がする。
近付いて確かめようとした時、トゥワイスに話しかけられた。



「おい荼毘!そういや、どうでもいいことだがよ!脳無って奴呼ばなくていいのか!?お前の声のみ反応するとか言ってたろ!?とても大事なことだろ!!」

「ああいけねえ。何の為に戦闘加わんなかったって話だな」

「感謝しな!土下座しろ」



死柄木から貰った俺仕様の怪物……一人くらいは殺してるかな。
適当に放置していたが、呼んでおかなきゃな。
首元にあるスイッチをカチッと押した。



***



side.八百万 百


「やばいって、やばいって!!やばいってこいつぅ!!!」


こちらを追いかけてくるヴィランは、恐らくUSJ事件の時にいたという脳無と呼ばれる存在と似ている。後に保須事件の時にもいたそうだ。


「八百万!!生きてるか!?おい!!頼む走れ!!追いつかれる!!」

「すみません…、泡瀬さん……だい、大丈夫です……!」


気付いたら倒れてた。
何をされたか、さっぱり……!


「くそっ!!畜生!!!何なんだよ!!何なんだよォーーー!!!」


近くで凶器の音が聞こえる。……ダメだ、当たる……!
そう思った時だ。


「…………え…!?」


近くで音が止まった。
するとヴィランは何事も無かったかのように踵を返したのだ。


「今度は何だ……?何で帰る?」


役目を果たした、ということ……!?
じゃあまさか、苗字さんと爆豪さん!

判断……!!“最悪”を推し量りなさい、百!!そこから今できる“最善”を!!


「泡瀬さん……。個性で“これ”を奴に結合してください……!!」





2023/9/16


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