第3節「林間合宿 後編」



というわけで、プッシーキャッツの方達から肝試しについて説明を受ける。
初めはB組が脅かす側、A組は二人一組で三分置きに出発しルートの真ん中にある名前が書いてある御札があるそうなので、それを持って帰ってくる事でゴールである。
で、脅かす側は直接接近する事は禁止で、個性を使って脅かすそうだ。


「創意工夫でより多くの人を失禁させたクラスが勝者だ!」

「やめてください、汚い」

「なるほど……!競走させる事でアイデアを推考させ、その結果個性に更なる幅が生まれると言う訳か……!!流石雄英!!」


前から思ってたんだけど……飯田君、何でもかんでもポジティブに捉えすぎでは?まあヒーロー一家出身だし、真面目だから変な商売には騙されないとは思うけど、何か見ていて心配だ……。


「さあー!くじ引きでパートナーを決めるよ!」


えーっと、私が引いたくじは……8か。
5人補修に行ったから此処には16人いる。一人余ることはないから……


「名前ちゃん!な、何番だった?」

「お、いーちゃん。8番だったよ」

「じゃあ僕達ペアだね!」


どうやらペアはいーちゃんのようだ。
他も着々とペアで固まっているみたいだ。


「おいデク……!俺と変われ!!」

「か、かっちゃん!?」


後ろからドスの利いた低い声が聞こえ、後ろを振り向くとそこにはかっちゃんがいた。
かっちゃんは鋭い目を更に鋭くさせて焦凍君を親指で指した。


「焦凍君とのペアが嫌だから変われって事ね……」

「え、えっと……」

「いーちゃん、かっちゃんの言う事を真に受けちゃダメだよ。それに、決まったものは仕方ないでしょ?焦凍君と一緒に行ってきなさい」

「あ゛ぁッ!?」



焦凍君とのペアを嫌がっているかっちゃんを押し返して、順番になった彼らを「ごゆっくり〜」と手を振って見送った。
そんな私をいーちゃんは苦笑いで見ていた……。





2023/5/16


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