17

「だめだ死ぬ」
「もう死んだ」
「私ゴーストになったら日本帰るんだ……」
「縁起でもないこと言わないで!」

シェーマス、ディーンと共に談話室の机に突っ伏して言うと、パーバティから鋭いツッコミが飛んできた。もう疲れたよパトラッシュ……。

「もう終わったのよ、あなたそんなので大丈夫なの? 同室者が落第なんていやよ」
「先生に貢げば点数もらえるかな」
「ナマエ!」

冗談だってば、と笑うと、アリアはふんとツインテールを揺らして談話室を出ていく。

「アリア、どこ行くんだろう」
「図書室じゃないっすかね。答え合わせ的な」
「やめろよナマエ!鳥肌たった!」
「ディーン……」

ディーン・トーマス、彼は今後図書室に寄りつくことがないかもしれないと予言しておこう。外れそう。

学期末試験の結果はなんとも言えなさそうだが、正直これで落第したとしても悔いはない。そりゃ1年いたが、たかが1年ではあるし、まさかの魔法だし。私の魔法はこんなもんだ。パイナップルにタップダンスしてもらうことなんて出来ない。あいつまさかのムーンウォークしやがったんだぜ……フリッ、フリット、ウ、ウィック!フリットウィック先生ムーンウォーク見てちょっと興奮してたんだ……。更にネズミを煙草入れに、なんて出来るわけなかった。そもそも嗅ぎ煙草入れなんて、オシャレなもの私が知ってると思うか?いいや、思わない(反語)。見事に誰でも見たことある携帯灰皿になってくれた。あのときの先生のはあ?って顔は忘れられない。唯一上手くいったのは魔法薬学のみだ。あと魔法史。なんだかんだエンジョイしてたとかそんなことは。

試験が終わったあとのご飯はいつも通り美味しかった。チーズがとろりと伸びるラザニア最高。しかしこの1年で少し太ったような気がするので控えようとしたけど多分もうお別れだと思うのでガッツリ食べた。アリアとサーシャとこの1年で慣れた挨拶をして眠る。
そして翌日は丸1日片付けで終わり、夜の大広間は緑と銀に染まっていた。普通に綺麗。しかし席はお通夜モードなのでうわあと引いてしまった。

「やっぱり、スリザリンなんだ……」
「落ち込みすぎじゃないっすかね。何点まで取り戻した?」

見ると、確かに他の寮に比べて少ないは少ないが、それでもあまり引けを取らないようにも見えた。スリザリンとの差は大体80点程で、まあまあだ。ごめん多分減点されたの私。大層な事言っといてこのザマである。良い子のみんな、こんな大人になってはいけないよ!

「これは先生にボーナス期待するしかないね」
「ボーナス?」
「そ。例えば、ネビルが一年頑張ったことを讃えて、とかね」

もう、やめてよ。そう言いながらもおかしそうに笑うネビルに、少しほっとした。ちびっ子に暗い顔されちゃあこっちまで暗くなる。ちびっ子とかいいつつ私より背、高いんだけどね。欧米人育ちすぎ。



しかしそんな私の冗談が真になってしまうとは誰が思っただろうか。

ダンブルドア校長、めちゃくちゃ点をグリフィンドール寮に最後の最後で追加した。余裕でスリザリン寮に下克上し、大広間のデザインは赤と金に変わる。グリフィンドール寮の生徒は大歓声大喝采で、対照的にスリザリン寮がお通夜になってしまった。これマジでPTAから文句来そうな案件。やりすぎじゃないか、とスリザリン寮のお通夜を見て頬がひきつった。
加点対象であるハリーたち御一行、プラスによくわからないがネビルはもみくちゃにされて嬉しそうに笑っていた。

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