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「ネビルー、朝掲示板見た?」
「うん。でもハリーはやるって言ってたから、僕もついていくよ」
「えっなんの話?」
「え?」
「貼りだされてた落し物、ネビルのやつじゃね?って言おうと思ったんだけど…」
「お、落し物?」

魔法史に行く途中ネビルと会ったから話すと自然とハリーたちに置いていかれた。からそのままネビルと教室に入ったものの、ネビルとはお互いにハテナを浮かべてしまった。ハリーのやるってなんの話?そういやなんか朝食のときもみんな集まってごちゃごちゃ言ってたな……あ、アンジーがなんか言ってたから危険スポーツの話か?あんまり聞いてなかったから…えっ今朝の新しい令って危険スポーツも入る!?うーんそれに関しては私はいいと思うぞ…なにせ危険なので…。
窓際に座りノートをとりつつ、こしょこしょとネビルと話す。すると出るわ出るわ薬草の話が。ネビルの薬草の知識はものすごく増えていて感心してしまった。

「ほへー薬草学大好きなんだねネビル」
「うん、楽しいよ。ナマエも魔法史とか、あと魔法薬学も楽しそうだよね」
「ホワッツ?」
「え? ……あ、見てナマエ、ふくろうだ」

魔法薬学がいつ楽しそうに見えました!?楽しいっちゃ楽しいけど楽しくないよ!特に去年からな!反論しそうになったけど、ネビルの予想外の話題の変え方にびっくりしてそれどころじゃなかった。いやいやいやふくろうとか、今授業中だぞいるわけな………いるー!?ネビルと同じ方向を向くとすぐそばの窓に白いふくろうがマジでいた。くちばしでコン、コン、と窓を叩いている。きょろりとした目と目が合って、見覚えのある色と顔にあれヘドちゃんじゃね?と首を傾げた。ハリーのふくろうにくりそつである。念の為ハリーのほうを見るとハリーもちょうどこちらを見ていたらしい、というかほとんどの生徒がヘドちゃんを気にしていた。マジアイドルふくろうヘドちゃん。ハリーはなにやらパクパクと口を動かして私に伝えようと、えー……なんて?私別に口唇術使えないから…見事なポンコツである。すまん。

「たぶん、手紙を持ってきたんじゃないかな」
「あ、じゃあ受け取ればいいのか。ネビルナイス〜」

幸い窓は私のすぐ側だ。ビンズ先生は生徒の方一切見ないし、こっそり窓の金具をいじって開ける。すると、ヘドちゃんはヒョンと中へ入ってきた。そのタイミングでビンズ先生が振り向きそうになり、やべっと慌てて窓を閉めてヘドちゃんを膝に乗せて隠す。ホーという小さな鳴き声はネビルが咳き込んだふりをして誤魔化してくれた。ネビルナイス!

「ヘドちゃんどしたの入ってきちゃ、オワごめん暴れないでくれ……おや?」

ヘドちゃんの様子がなんかおかしかった。触れたら威嚇みたいなのされるし、っていうか羽がなんか変。私別に鳥に詳しくないからよくわかんないけど、なんとなくちょっと変な感じがする。

「どうして入れたんだ」
「あ、ハリー。入ってきちゃったんだって。でもなんか様子がおかしい」

ハリーが窓際の席までこそっと移動してきてちょっとイラついたように言われたものの、ハリーの姿を見てヘドちゃんは安堵したように、しかし何かを訴えるようにまたホーと小さく鳴いた。ハリーにヘドちゃんを渡すと、ハリーはヘドちゃんから手紙を受け取り翼に触れようとして思いっきり嫌がられていた。ハリーの顔が強ばった。

「けがしてる」
「マ!?」

マジでか!?えっ、うおお、うわっ、ええっ。大丈夫なの!?無意味にネビルと顔を合わせてしまった。怪我してたから大広間じゃなくて遅れて授業中に来たのか…!ちゃんと仕事全うするヘドちゃん偉すぎる。でもふくろうの怪我って大丈夫なのか!?翼は命みたいなもんじゃん、やばいって。ハリーはすぐさまビンズ先生に体調不良と言って授業を抜けた。それを見送り、授業が終わってから何があったのかハーミーに聞かれヘドちゃんのことを話すと、ハーミーはなにやら考え込んでしまった。

「でもなんで怪我なんて」
「……獣に襲われたとか?かわいいからかな……」
「kawaiiでなんでも済ますのやめろよ。でも妙じゃないか、今まで怪我なんかしたことない」
「まさか、奪われそうになったとか?」
「は?手紙を?」

誰に、と言う前になんとなく察してしまった。おそらく全員が同じことを考え、同じ人物が頭に浮かび、幻聴の咳払いがした。ェヘンェヘン。違うって言えないどころか普通に疑ってしまうあたりお察しである。

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