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今年は少し面倒なことになるかもしれない、というノット先生の予言とセストラルの顔面にドキドキしながら馬車を降りて、今までスリザリン生といましたよーなんてことが絶対バレないようにそそくさと生徒の群れに加わって大広間に入る。えーと、サーシャとアリアはどこだーーと少し探すと、アリアのおさげが見えて急いで階段をあがった。2人も私に気づいて手を上げる。

「ハリーたちといたんじゃなかったの?」
「いやあ迷っちゃって…はは」
「5年も同じ道通ってるくせに、呆れたものね」

んなわけないやろがい!とは言えない。こんな雑な嘘で誤魔化せる私のイメージってなに?モンキーですよねハイ。さすがに少し情けない気はするものの、まあいいかと頷いた。

「ああ、ほら見てポッターよ。流石に噂の的よね」
「つい数ヶ月前だもの。ほらいってきなさい番犬」
「番犬!?えっいやなに、なんでよ、ちょっ」

サーシャに背中を押されてあわあわとしていると、押し出された先にハリーがいた。ハーミーとロンと、ネビルも一緒にいるみたいだけど、どこか周りからひそひそと注目されているらしい。なんでだ、と首を傾げてすぐ気付いた。いや、すぐっていうか遅いんだけども。つまり、学期末の腫れ物が継続されているらしい。
ハリーが私に気づいて手を振ってくれる。それに振り返しながら、堂々と近づいた。

「やっほ」
「ナマエ、久しぶり」
「なんか皆背伸びてな…………エッなにそのバッジハーミーとオソロじゃ……ハッまさか!!??」

私の顔がちょうど胸に来る高さとめちゃくちゃ伸びているロンに二重の意味で仰天した。ハーミーとオソロのバッジにPERFECTってあるのだ。ウソだろ!?ロンが!?ロンが監督生なのか!?

「驚きすぎだろ、失礼な奴だな!」
「だっておま、マジかよ〜!」
「ナマエもハリーだと思ってたの?」
「いや、ディーンあたりかなって……」
「なんで!?」

言うと、ハリーから肩をガシリと掴まれて揺さぶられた。オ、オウ……ゴメン……?いや別に期待してなかったとかそういうわけじゃねーんだけどよ、なんてモゴモゴと言い訳しているうちに人は増えて、ハリーのジト目に冷や汗をかきつつネビルが見つけた座席へ座った。ネビルも背が伸びて、ハーミーも伸びてるし……あれ、もしかして私が一番チビか?ウソでしょ泣くぞ。カルシウムを人に勧めている場合では無かったらしい。
ハリーたちは教員席を気にしてザワついていた。ハグリッドがいないと言われ、確かにと頷く。来る途中、1年生の案内人がプランクばーちゃん先生だったことに違和感を抱いていたらしい。そしてもう一つ、DADAの教授席に座っていた人物にも注目がいく。なんというか…その……独特な?個性的な?ファッションの婦人が座っていた。DADA関連だからか馬車で聞いた話を思い出してウゲーッとなると、ハリーも同じような顔をしていた。

「アンブリッジだ」
「なに、知り合い?」
「僕の尋問にいたんだ、ファッジの下で働いてる」
「ファッジの下で?ならどうしてここにいるのよ」
「ちょい待て尋問ってなんだ」

ファッジさんとやらの話に移行しそうな空気に口を挟むと、3人してやべっみたいな顔をして目を逸らした。……は?なんですか?また例の案件ですか?しかし尋問ってのはどうなんだ?不穏な感じじゃないですか?何も言わないハリーをじっと見ると、顔ごとそっぽ向かれた。ハ、ハァ〜!?憮然としていると、ネビルが引き攣り笑いをしながら話しかけてきた。

「ナマエは今年ふくろう試験どうするの?」
「この話やめよっか」

今起こったこと全部忘れるんで許してください。にっこり笑うとロンが噴き出したので机の下で監督生様の足を踏んづけてやった。はは、ざまあ。言っておくが、ロンとて座学面では人のことを言えないんだからな!
そうこうしていると今年の新入生が入ってくる。案内役がハグリッドではなかったことに唖然としているハリーを横目に、組み分け帽子が歌い出した。ボロボロなくせしてやけにいい声なのがムカつくんだよな。今年はロングバージョンらしく、少し長めに歌が終わる。と、周りが何やらざわめいていた。え?警告?なにそれそんなこと言ってた?首を傾げると、ハーミーから「ちゃんと聞いてなさいよ、大事なことなのよ!」と怒られてしまった。新学期早々ハーミーお叱りRTA更新しました。
ハリー曰く、今までは4つの寮の特徴と帽子の自己紹介だけで警告なんてことは無かったらしい。ハーミーが不安そうにしていると、城の古株生きた化石、いや死んでるけど喋る化石ことゴーストの首なしニックが来て話しだした。

「あの帽子は、必要とあらば自分の名誉にかけて学校に警告を発する責任があると考えているのです」

軽くお茶目に言われた内容は、何やら重たい響きだった。ふとスリザリン席の方に視線をやると、ノット先生はマルフォイくんと話していた。おそらく今の帽子のことだろうが、ご機嫌なマルフォイくんの様子にうーんと私も少し悩んでしまう。ノット先生の予言って、予言というより確定事項じゃね?ハリーが危ない目に合わないといいんですけどね。そう思いながらグリフィンドールに組み分けられた少年に拍手をおくった。

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