間違いだらけの愛しさが


*前提
セレナの両親はソールとティアモです。

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「本当にお前はあのティアモの娘なのか」


いつだって、同じように比べられて


大体幻滅される


あたしはあんなに出来た人じゃないし


あんな天才でもない


なのに顔つきや体型はしっかり遺伝してて


整った顔立ちだとか発展途上の胸とか言われて(それで殴るのが常)


だからあたしは母さんが嫌いだった


「あたしだって、好きで母さんの娘に生まれたわけじゃない!!!」


その怒鳴り声が響いて


それは


「……セレナ……ごめんね…
私みたいなのが、あなたの母親で……」


「あ………」


母さんを、傷つけた


「そっ…そうよ…!あんたが、あんたが……っ」


言葉に詰まってその場を走り出して、


零れる涙を拭いながら、走り続けた時に、不意に石につまづいて転んだ。




嘘。



今までの言葉なんて全部嘘。




本当は。

誰よりも、母さんが好きだった。


優しくてかっこいい母さんが、自慢だった。


「ううっ、ぐすっ……ひっく……」


その場に座り込んで泣いていたら


「……セレナ?どうして泣いているの?」


今度は、父さんがやって来た。


「父さん……あたしね………母さんのこと、傷付けちゃった……」



「ティアモの事を?」

「うん……」


そっか、と呟いて、父さんはあたしの頭を優しく撫でながら言葉を口にした。


「言葉を素直に伝えるのは難しいとか、恥ずかしいとか、いろいろあると思うんだ。だからつい正反対のことを言ってしまう、天邪鬼なんてものもあるしね。」

「………」

「でも、天邪鬼は損をしてしまうよ。よく相手を傷つけてしまう。だから多少の抵抗はあっても、気持ちは素直に伝えるのが一番だよ。

今からでも大丈夫。だから、ティアモにちゃんと謝って、本当の事を言ってあげよう。ね?」


父さんはそう言って立ち上がると、座ってるあたしに向かって手を差し出して

「一緒に行こう」って言った。


「……うん」


その手を取って、立ち上がる。


目的の人物はすぐに見つかった。


「母さん……」

「セレナ…?」

「あのね………さっきは、ごめん、なさい………

……あたし、本当は母さんの事が大好きなの!かっこいい母さんはあたしの自慢だったの!だから、だから………あんな酷いこと言って、本当にごめんなさい……」

「……いいのよ、セレナ」

母さんは優しくあたしの事を抱きしめてくれて、そう言った。

また涙が溢れてきて、たくさん泣いて、それから、笑顔になった。



「良かったね、セレナ。
ちゃんと言えたんだね。」


父さんが笑いながら、あたしと母さんをまとめて抱きしめた。


「………うん!」


何でも出来てかっこいい母さんと、いつも優しくて穏やかな、でも本当は強い父さん。

あたしの両親は世界で一番の自慢の両親だと胸を張って言える。


良かったね、この時代のあたし。
素直で優しい子に育つのよ?

*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

セレナを初めて見た時はオレンジの髪だった(父ガイア)のですが、もう今は灰緑色の髪じゃないと違和感があるくらいですね。

……とか言いながらメインデータのセレナの父親リヒトなのですけどね!((
ソールはアズールのお父さんしてます。




  
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