▼ 季節巡れば遠い人
※前提としてはリズ→フレ
フレデリクは別の人と結婚
誰かが言った。
「初恋は実る事のない恋である」
それを聞いた時
ああ、私の恋は叶わないのかと子供ながらに涙が流れた。
そして、その思いにそっと蓋をした。
あの頃の私はただ、純粋に
彼の人が好きだった。
「私の初恋はね、貴方だったんだよ、フレデリク………」
花吹雪舞い散る空を見上げ、フレデリクと隣にいる美しい純白のドレスを着た彼女を見やった。
フレデリクと彼女の関係はかなり前から知っていた。
私の夢は、初恋の……
フレデリクのお嫁さんになる事だった。
大好きなフレデリクと、ずっと一緒に幸せに過ごしたかった。
騎士と姫の関係なんかじゃない。
ただ、一組の男女の関係になりたかった。
「本当に、初恋は実らないんだね……」
リズは泣き出しそうになるのをぐっと堪えて、フレデリク夫妻のもとに跳ねながら近づいていった。
いつも通りにしよう。
ちゃんと言ってあげよう。
「お2人さん、おめでとう!」
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私の好きな人は、フレデリクだった。
いまでも好きである事には変わりない。
でも、あの頃の好きとは違う。
純粋に、仲間として、私はフレデリクが好きだ。
私は今、違う恋をしている。
初恋が叶わないと知った少し後から、ずっと彼が好きなのだ。
もう、次の恋は初恋なんかじゃない。
絶対に叶えてみせる。
そしたら、フレデリク達なんかよりもずーっと
幸せで円満な夫婦になってみせるんだからね!
リズは今、想いを寄せている彼の人の元へ元気に飛び跳ねて行った。
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リズの初恋はフレデリクなんですね!
リズちゃん可愛いよ
後半の話のイメージは別のキャラの支援とかでちょこちょこある「ずっと前から好きだったんだよ」みたいな感じです。
相手はぼかしてるのでご自由に想像下さい。
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