ある意味迷惑大王

私の主は困った人。
王様と呼ぶには頼りなさすぎる。仕事もサボりたがる。子供のように単純でわがまま。それから、





入りますよー、と言ってその主の部屋へノックして入る。するとむわっとした空気が体を包む。肌で感じる何ともいえない不快感。
「ちょっと大王様、」
「なんだ?」
「いくら何でも部屋が暑すぎじゃないですか?」
「そりゃ気のせいだ。冬にエアコン入れて何が悪い」
パジャマでキングサイズのベッドの上に転がり、何か本(恐らくマンガ)を読んでいる私の主。ああ、これでこの白の主だなんて。とてもだらしない姿。
部屋の主が気にしていない様子なので、ずかずかと遠慮なく部屋に入れさせてもらう。エアコンの設定温度を確認すると、目玉が飛び出そうになった。
「大王様っ27℃とは何ですかっ!」
彼ににそう叫ぶと、飛び上がってこっちを向いた。
「何だよ!別に寒いからいいじゃねぇか!」
「そんな薄着でいれば当然です!大体もう寝るんですからそこまで暑くする必要ないですよ」
「うるさい!俺様が寒いと言ったら寒いんだ!」
「だから電気代がかさむんです!…もう切りますからね!」
ああーっという抵抗の叫びを無視して、私は構わずエアコンのスイッチを切る。「寒がりな俺様を殺す気か…」とかなんとかが後ろからぼそっと聞こえた。

「一応言っておきますけど、殺すつもりはないです。」
「…そうか。」
私がマンガを取り上げたので、大王様はちょっとふてくされて布団に潜った。こうでもしなくちゃ寝てくれないから困った人だ。
それからいつものように電気を消して、私の仕事は終了。
「ではおやすみなさい。明日はちゃんと起きて下さいね。」
そう言って部屋のドアノブに手をかけると、「待て」という声が聞こえたので振り返る。
「…何か?」
「寒い」
「それは冬だからです」
「エアコンを禁じたお前に責任を取ってもらうぞ」
「…はい?」
なんだかよくわからない事を言われた。むくりとベッドから起き上がった大王様が手招きしたので、とりあえず傍に寄る。それから真面目な顔でこう言われた。
「寒くて寝れん。俺様と一緒に寝ろ。」



私の主は困った人。王様と呼ぶには頼りなさすぎる。仕事もサボりたがる。子供のように単純でわがまま。
それから、
部下の気持ちもお構いなし。




end.
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

「大王様、」
「ん?」
「ま、枕が臭いです…」
「うるせえ、我慢しろ」

たぶんポピーをぎゅってして抱き枕感覚で寝るんだぜ!ポピーはそれにトギマギして寝れないんだぜ!1人で書いてて盛り上がる!

09.04.15 執筆



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