学びごと
「…」
朝。
シセラは自然と目を覚ました。
昨夕からひたすら寝ていたせいか、随分と調子が良い。
熱っぽさが消え、だるさも嘘のように無くなり体が軽く感じられる。
風邪を引けば数日間寝込むのが普通だったシセラにとってこれは驚くべきことだった。
だが、淡い願いも虚しく、レイは隣にはいない。それだけが、晴れた心に陰りを見せた。
しかしいつまでも沈んでいる訳にはいかない。病み上がりとはいえ、起床時間はとっくに過ぎている。
それに、昨日休んでいた分、やることも増えてしまっている。
シセラは慌ててバスルームに行き、急いで身なりを整えると、いつかのように部屋を惨状にしたまま、その場を後にした。
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