「…」
「…」
しばらく、無言のまま、視線を交わすだけの二人。
「…用が、あるのか?」
先に口を開いたのはレイだった。
無表情から、気持ちが読めない。
だからこそ、シセラは一瞬躊躇うようにして、ようやく、
「…なさい…、」
俯き、視線から逃れるようにして、謝った。
顔は見えなかったが、シセラには、レイが笑ったのがわかる。
「…だけ、です」
恥ずかしさから、シーツにまた潜り込むシセラ。
隙間から覗くと、レイが近づき、さっきと同じ場所に腰掛けるのが見える。
それから、手が伸びてきて、シーツの上から優しく頭を撫でられる。
「…!」
心臓がドクン、と跳ねたが、不思議と安心感にも満たされる。
目が覚めた時にも、そばにいてくたらいいのに、
と、シセラは淡く願った。
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