優しさと強情さ
太陽が微かに覗き、空がうっすらと照らされる早朝、その少女は眠っていた。
傍にあるテーブルの上には、レースの笠がついたランプと、アンティークの置き時計。
時刻は七時少し前を指している。
秒針が徐々に頂点へと上っていく。
三…二…一…
優しいクラシックが部屋に響く。
「ん…」
少女は、そのメロディーに一瞬眉を寄せてから、手探りで時計を探し、止める。
それから、ゆっくりとベッドから起き上がると、手を上げ、大きく伸びをした。
「…」
いつもなら、これで眠気は完全に吹き飛ぶのだが、今朝はだるさが残る。
心なしか、頭も少し重く感じる。
しかし、そんなことに構っている場合ではない、と少女は支度を始めた。
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