進撃 自動掃除機リヴァイ



現代パロディー。

夢主は22才。ぴっちぴちの働く社会人。一人暮らし。因みに看護師。

不規則な休日に部屋の掃除をするのを惜しんだがために通販で某自動掃除機を購入。

これでついに掃除しなくて済む、と喜ぶ夢主。段差も少ないのである程度の床掃除ならおサボり可能。でもテーブルとか棚、窓などの掃除は自分でしなければいけないのが欠点かな。まあ、そこは埃が気になったら随時掃除するとして。

さておき念願の某自動掃除機が家に到着したが、箱の大きさも長さも重さもまるで違う段ボール箱が宅配される。開封する前に住所と名前を確認。固唾を飲み込み開ければ、一人の人間が入っていた。


「何だこの部屋は。狭いし汚いし、何より日当たりが悪い。おい女、すぐに箒と塵取りと雑巾とバケツを持ってこい。この部屋の塵と埃を駆逐してやる」


そうして某自動掃除機よりも有能な自動掃除機リヴァイを手に入れた夢主。

自動掃除機リヴァイによって部屋全体が金ぴかに輝いて見えるほど綺麗に掃除されるが、夢主は現実に戻る。小柄な成人男性が某自動掃除機の代わりに段ボール箱に詰められて配達されてきたのだ。しかも段ボール箱から出て早々に部屋にけちを付け、我が物のように部屋の清掃に取り掛かった。

メリットは大いにあるけれど、デメリットこそある。某自動掃除機が配達されなかったし、不審な男が自分の家を掃除したこと。そりゃあ某自動掃除機には決して掃除ができないような場所まで丁寧かつ繊細に手入れしてはくれたが、流石に現実的じゃない。

だけど現実的じゃないのはこれからだった。


「おい、女。これからこの俺がこの家の床から天井までを面倒見てやる。床に紙屑一つ置いてみろ、削いでやるからな」

「え、そ、削ぐって……ていうかまさかうちに住むってことですか貴方!!」

「当たり前だ。24時間365日、この家の清潔は俺が管理してやる」


こうして自動掃除機リヴァイとの清潔生活は始まる。

リヴァイが掃除機、クリームクレンザー、消毒用エタノール、カビキラーを使いこなしたり、割り箸の先に布を巻き付けてサッシを金ぴかにするというテクニックを覚えたり。あと調子に乗った夢主がさしすせそを自動掃除機リヴァイに教えると、興味を持った自動掃除機リヴァイが掃除だけじゃなく調理まで習得したり。洗濯まで身に付けると次第に自動専業主婦リヴァイが夢主のオカンに。

なにこれ専業主婦より主婦らしい。一家に一人欲しい。



prev next





▽コメント




prev next





コメント記入

お名前

コメント






×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -