魔法 不幸の元凶を摘み取ろうと藻掻く夢主(復讐系嫌われ気味)
――それはただ、みんなのためだった。
「お前、最低だな」
リリーは親友、シリウスは恋人、ジェームズは従兄弟、リーマスは幼馴染みな夢主。
時は流れ、リリーとジェームズは死に、シリウスは投獄され、傷付いたリーマスに寄り添うこと十数年。時代は子世代。今まで隠されていた友人ピーターの悪事が暴かれたことを切っ掛けに夢主は動く。
親友と従兄弟を殺害し、恋人を奪い、幼馴染みを癒えない傷で傷付けた大本を消し去るべく闇の魔術によって過去、学生時代へとタイムスリップ。
いなくなってしまった親友や従兄弟のいる世界を過ごし、恋人と愛を育み、幼馴染みと平凡を堪能する。泡沫の学生生活を謳歌すると同時に、夢主は復讐へと道を外す。
手始めに恋人の弟を言いくるめ、ルシウスやベラトリックスに接触。グリフィンドール生でありながら目的のためなら犠牲が出ようとも手段を選ばない夢主を気に入るベラトリックスと、夢主の性格に惹かれるルシウス。
スリザリンの協力を得るという大義名分のためにスリザリンと仲を深めていく夢主と、それを疎むグリフィンドール生のリリー達。
因みに夢主の目的はピーター・ペティグリューとヴォルデモートの死。
スリザリンとつるみ、闇の魔術に手を染め、次第に落ちる夢主。それでも当初の目的は確固たるもので。
「ねえ、ピーター。私ね、あんたにさ、ずっとずっと訊きたかったことがあるんだぁ。今のあんたに訊いたところでまともな答えも全うな返事も期待してないんだけれど――再度訊くよ。ねえ、どうしてあんなことをしたの?」
ただそれだけだった。
ただ理由が訊きたかっただけで、みんなの不幸を阻止したかっただけだった。
「ねえピーター?あんたさえいなければ、ジェームズとリリーは死なない。あんたさえいなければ、シリウスはアズカバンなんかに投獄されない。あんたさえいなければ、リーマスは孤独を味わうことはない。……ねえ、ピーター。あんたさえいなければ、誰も不幸にはならなかったんだよ」
ピーターに詰め寄る夢主は徐々にリリー達から蔑まれ、嫌われていくってお話。
シリウスとラブラブだったのにシリウスも離れてっちゃう。そこにルシウスとかレギュラスが漬け込むって美味しいお話が大好き。
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