灰男 純白が漆黒に変わる



白い髪に赤い目。現代では先天性色素欠乏症やアルビノと呼ばれるそれ。

19世紀末。それも山の奥深くに存在し、あまり外部と精通することのない村内でのそれは非信仰の対象だった。つまり、白い髪に赤い目は魔を呼ぶ不吉な存在としてその村には言い伝えられていた。

古くから伝わる伝承や風習、言い伝えを信仰し殉じる村人は例に漏れず逆らわず、殉じ、従い、畏れた。

そんな村に白い髪に赤い目の女児(以下純白)が産まれる――みたいなお話から始まって、まあ、白い不幸だの白い悪魔だのと嫌悪を含めて疎外される。そして悪の象徴として村人からも実の親からも虐げられた純白の遊び相手といえば、何も言わないたったひとつの石ころ。

雨の日も風の日も石ころと遊ぶ。訂正。石ころを投げて遊ぶ。

そしてある日、純白は空腹に負けて石ころを飲み込んでしまう。ドロップに見えたんだよきっと。

その日から純白は変わった。

村人から虐げられ生傷が絶えなかった体の傷は治り、親から虐げられて傷付いた心の傷は治りを見せた。それに逸早く気付いたのは親で。その上調理中に誤って指を切ってしまった母親の指に薬草を塗ろうと触れただけで指の傷が治る。その話を親から聞き付けた村長は、掌を引っくり返す。


そして純白は神様になった。


どれだけ傷付いても怪我が治るのは神だけだという伝承があったから。例え白い髪に赤い目を持っていたとしても、神に代わりない。

そもそも神が白い髪に赤い目をして地上に降りてくるということは、新しい時代を送ったということ。つまり白い髪に赤い目は魔を呼ばないし、不吉でもない。寧ろこれからは信仰の対象になる。

神様に奉られた純白は純粋に成長する。年端もいかない少女に成長しても、無垢な精神は変わらず白くって。周りの大人に流されるがまま神様になり、言われるがまま怪我を治す。そんな純白の神様生活に終わりをもたらすのが黒の教団。

恐らく石ころがイノセンスで、それを飲み込んでしまった純白は寄生型になってしまったんじゃないか。えーと、ここあんまし細かく考えてないからよく分かんないや。

まあかくかく然々。村の外部から来た黒の教団にこわさを感じるも、純粋故に好奇心が沸く。村を出るのは村人が許さなかったが純白には純粋故に捨てるものがなかった。親は親らしいことはしなかったし、まず親には育てられていなかった。

そんな感じで村を出て教団へ。みたいなー。





余談だけどなんやかんやでノアに目覚めるのもいいのかもしれないなあ。勿論『純粋』がメモリーで。

だからノア化した際、白い髪は黒い髪に。赤い目は黒い目に。

神様になった純白は神様の羊になって漆黒に染まった。みたいなー。

なんかこういうのやってみたい。宗教的なのは難しくって頭が痛いのだけど。



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