ツナはすっごく優しい人だって分かった。
私が守ってあげるって言っても、頑なに拒否ばかりされてしまう。
理由を聞けば、私は女の子であり怪我をしてほしくないから…なんてツナは優しいんだろう…!
そんなとこも全て含めてキョンちゃんにそっくり!
だからこそ私は守られるのではなく、守らなくちゃいけない。
今日からツナを守るのが私の指名!

昼休み。
悶々と午前中はずっとツナのことばかりを考えていて全く授業聞いてなかったな、なんて改めて思ってしまったけど…授業よりツナの方が大事だからいいわ。
第一、今からツナのクラスに向かわなきゃ。
常に側にいてツナを危険から守らなくちゃ!!


「あ、」

「お昼屋上でいいよね?」

「−−。−−−」

「−−−−−!」

「うん。行こう」

「ツナーっ!」

「え!あ、紫媛ちゃん!」


廊下にでてツナのクラスに向かって歩いていればクラスから出てくるツナを偶然見つけた。
ワォ!私って本当にタイミングがいい。
出会えたことに嬉しくて早足でツナの所へ向かってしまう。
本当にキョンちゃんみたいで愛でたくなっちゃう。


「どうしたの紫媛ちゃん?」

「約束通りツナを守りにきたの」

「え、(あんなにも断ったのにーっ!?)」

「身辺警護は本当に任せて」

「え、あの紫媛ちゃん…−−」

「あぁあぁーーっ!!!ってめぇ昨日の雲雀2号女!!」

「よ!また会ったな」

「貴方たち…誰?ツナ、貴方の知り合い?」

「(覚えてないのーっ!?昨日咬み殺した人間をー!?)」

「んなっ!?」

「ははっ!」


いかにも不良、そんな感じの人と無駄に爽やかな人が私を指差したり、私に話し掛けたりとしてくる。
一体なんなのかしら。
私は第一貴方たちとは初対面なのに、でもツナの友達みたいね。
なんだか親しくしているし。
だからって、なんで私に話し掛けるのよ。


「覚えてねーのかよ!」

「初対面でしょ?」

「ははっ!オレたち昨日屋上で殴られたぜ?」

「殴った…?ああ、思い出したわ。昨日のうるさい人達ね」

「なっ!(殴ったことは忘れてて、うるさい奴だってことは覚えてんのかよ…!)」

「って、それより貴方ツナに近づかないでくれない?」

「あ、んだとごらあぁあぁ!!!」

「そこの無駄に爽やかな人はいいとして、…なんだか貴方私の直感的にツナに迷惑をかけるトラブルメーカーに見えるから」

「(トラブルメーカーが否定できねぇえぇえーっ!!ごめんね獄寺君!!)」

「んなわけあるかっ!!」

「あるから言ってるの」


ぎゃんぎゃん吠えているこの不良を見ていると私のイライラゲージが貯まっていくのがわかる。
うるさいだけならまだしも絶対に彼、ツナに迷惑かけている人物ね。
なんとなくだけど、この手のタイプはトラブルメーカー。
ぎゃんぎゃん吠えるは当て嵌まらないけど、手をだすには兄さんが当て嵌まる。
そうすることで何処からか反感を買うか、憎まれる。
ましてや手が先にでるから後始末が周りにふりかかかる。
私の経験上、この手の人はトラブルメーカーだとわかるわ。
絶対にツナに近づけちゃダメな人…!


「ツナ」

「どうしたの紫媛ちゃん?」

「私、彼を咬み殺してもいいかしら?」

「え、」

「彼スッゴくトラブルメーカーに見えるの。ツナのためにも咬み殺さなきゃいけないような気がするわ」


ピシリと固まってしまったツナを見て余計に殴らなければいけないと再認識できた。
スッと持っていたトンファーを構えれば周りの雰囲気も変わる。
私はツナさえ護れれば満足よ。


「咬み殺す」

「って待って紫媛ちゃん!」

「へ」

「あ、あのさ…!その、えっと…!」

「10代目!身をていして護っていただけるなんて…!狂暴女はオレがボコボコにします!」

「へ、いや!」

「ツナは優しいから私に暴力奮わせたくなかったのよ。勘違いしないで」

「勘違いはお前だ狂暴女!!」


ツナがこの不良に鉄槌を食らわせようとする私を止めに入ったのは流石に驚いてしまった。
私に暴力を奮わないために身をていしてくれるなんて、なんて優しいの!なんて考えていたのに…いたのにこの不良ときたらツナがあの不良を庇ったなんて勝手な妄想で話し出した。
頭がおかしいんじゃないのかしら、この不良。
しかも後ろで無駄に爽やかな彼も笑ってるし…ああ最悪よ。
晒しものにされた気分ね。


「とりあえず屋上行って飯食おーぜ!」

「っせー野球馬鹿!!」

「あ、そこのアンタも一緒に食おーぜ!!」

「嫌よ。私はツナの護衛をしなきゃいけないの」

「あ、ツナも一緒に行くのな」

「え!!…あ、え…ツナ、私も行っていいかしら?」

「う、うん!もちろんいいよ!」

「ありがとう」

「うんん気にしないで」


その笑った顔を私はやっぱり護りたいって思ったわ。
ああ…!素敵よツナ!!



鹿
(はぁ…なんでツナは素敵なの?)






20110210

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